昨年リーグ新人記録の159安打を放った近本が打率1割台
阪神が開幕から低空飛行を続けている。7月2日の中日戦も敗れて2勝10敗となり、オリックスと並んで両リーグ最速の10敗目を喫した。リーグワーストのチーム合計24得点67失点では勝てないのも仕方ない。昨季からの課題だった貧打に泣いているのは、期待の外国人が打てていないこともあるが、切り込み隊長・近本光司の不振もひとつの要因だろう。
ルーキーイヤーの昨季は36盗塁でタイトルを獲得し、長嶋茂雄のセ・リーグ新人記録を61年ぶりに更新する159安打をマーク。チームのクライマックスシリーズ進出に貢献した。
ところが今季は巨人との開幕3連戦で本塁打1本のみの13打数1安打。その後も調子は上がらず、打率は.149と低迷している。7月1日の中日戦では、本来はサードの大山悠輔が7回から近本に代わってセンターの守備位置に就くなど、矢野監督も頭を悩ませているようだ。
よく「2年目のジンクス」と言われるように、1年目に活躍した選手が翌年苦しむのは珍しいことではない。阪神では2016年に打率.275、8本塁打、65打点でセ・リーグ新人王に輝いた高山俊が、2年目に成績を落としたことは記憶に新しい。2007年に8勝を挙げて新人王に輝いた上園啓史も、翌年は4勝どまりだった。
「ジンクス」とは言うものの、歴史が証明している以上、単なる偶然ではないはずだ。データのない1年目に比べ、2年目は相手チームから研究される。本人も前年以上の成績を残そうと力むことが逆効果になる場合もある。それに加え、今年は新型コロナウイルスの感染拡大で開幕が延期されたことも無関係ではないだろう。