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阪神・近本光司は2年目のジンクス?気になる四球の少なさ

2020 7/3 06:00SPAIA編集部
阪神・近本光司ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

昨年リーグ新人記録の159安打を放った近本が打率1割台

阪神が開幕から低空飛行を続けている。7月2日の中日戦も敗れて2勝10敗となり、オリックスと並んで両リーグ最速の10敗目を喫した。リーグワーストのチーム合計24得点67失点では勝てないのも仕方ない。昨季からの課題だった貧打に泣いているのは、期待の外国人が打てていないこともあるが、切り込み隊長・近本光司の不振もひとつの要因だろう。

ルーキーイヤーの昨季は36盗塁でタイトルを獲得し、長嶋茂雄のセ・リーグ新人記録を61年ぶりに更新する159安打をマーク。チームのクライマックスシリーズ進出に貢献した。

ところが今季は巨人との開幕3連戦で本塁打1本のみの13打数1安打。その後も調子は上がらず、打率は.149と低迷している。7月1日の中日戦では、本来はサードの大山悠輔が7回から近本に代わってセンターの守備位置に就くなど、矢野監督も頭を悩ませているようだ。

よく「2年目のジンクス」と言われるように、1年目に活躍した選手が翌年苦しむのは珍しいことではない。阪神では2016年に打率.275、8本塁打、65打点でセ・リーグ新人王に輝いた高山俊が、2年目に成績を落としたことは記憶に新しい。2007年に8勝を挙げて新人王に輝いた上園啓史も、翌年は4勝どまりだった。

「ジンクス」とは言うものの、歴史が証明している以上、単なる偶然ではないはずだ。データのない1年目に比べ、2年目は相手チームから研究される。本人も前年以上の成績を残そうと力むことが逆効果になる場合もある。それに加え、今年は新型コロナウイルスの感染拡大で開幕が延期されたことも無関係ではないだろう。

出塁率リーグ最下位…ボール球に手を出している?

SPAIAのヒートマップを見ると、空振りや三振は外角が多いが、凡打はあらゆるコースに散らばっている。目立つのはボール球。高め、低めを問わず、ボール球に手を出して凡退していることが見て取れる。

打球方向データを見ると、きれいに広角に打ち分けていることが分かる。つまり強引に引っ張って凡退している訳ではない。

気になるのは四球の少なさだ。2019年、近本の安打数(159本)はセ・リーグ6位だったが、四球数(31四球)は規定打席に達した30人中28位、選球眼を示すIsoD(.042)は29位だった。1位のヤクルト・山田哲人の110四球、IsoD.130と比べると、近本の低さが際立つ。

今季も52打席でわずか2四球しか選んでおらず、出塁率.216は広島・メヒアと並んでリーグ最下位だ。ヒットを打つのが重要なのは当然だが、四球を選んで出塁することも同等の価値がある。球界トップクラスの近本の俊足があれば、盗塁のチャンスが増え、相手バッテリーを消耗させられるからだ。

ボール球を見極め、ヒートマップがストライクゾーンに集中してきた時、近本は四球が増えて出塁率も上がっているはずだ。切り込み隊長の復活なくして阪神の浮上はない。背番号5の今後に注目したい。

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