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新型コロナウイルスの影響で延期されていた2020年のプロ野球が、約3カ月遅れで6月19日に開幕する。今年は節目の勝利や記念すべき大台到達など、達成されそうな記録が多い。特に開幕カードでぶつかる巨人と阪神は記録ラッシュとなりそうだ。
巨人は球団通算6000勝に王手をかけており、今季初勝利を挙げればプロ野球史上初の記録達成となる。1936年7月3日の初勝利から84年かけての到達だ。
また原辰徳監督は歴代13位の監督通算1024勝776敗58分。長嶋茂雄監督の1034勝にあと10勝、川上哲治監督の1066勝にあと42勝と迫っており、今季中に「ミスター」と「打撃の神様」を超えることが濃厚だ。
野手陣も節目の記録に迫っている選手が多いが、中でも最大の注目は坂本勇人だろう。通算2000安打にあと116本。 1988年12月14日生まれの坂本は、開幕が延期されなければ榎本喜八の持つ31歳7カ月のNPB最年少記録の更新が期待されたが、事実上不可能となった。とはいえ、残り116本なら120試合制でも今季中の達成は十分に可能だ。
さらに250本塁打にあと27本と迫っている。昨季40本塁打を放った実績から射程圏と言えるだろう。350二塁打はあと2本、1000得点にはあと17と迫っており、2020年はメモリアルイヤーとなりそうだ。
16年目のベテラン・亀井善行は1000安打にあと7、100本塁打にあと4としており、今季中にダブル達成を狙う。また、中島宏之は200本塁打にあと5と迫っており、丸佳浩もあと26本だ。丸は広島時代の2018年に39本塁打を放った実績があり、ハマれば今季中の到達も可能だろう。
巨人の連覇を左右しそうな記録が、菅野智之の100勝と岡本和真の100本塁打。菅野は13勝、岡本は35本が必要なため、エースと4番が今季中に大台到達した場合は優勝に大きく近付いているはずだ。
一方、阪神で達成されそうな記録は表の通り。
球界最年長、43歳の福留孝介はNPB通算2000安打まで103本。さらに日米通算2500安打まで105本に迫っている。昨季は104試合出場で89安打だったが、2018年は123試合で116安打を放っている。ただ、ベテランだけに休養日を設けながらシーズンを戦うと見られ、今季中の達成は難しいかも知れない。
あと20本と迫ったNPB通算300本塁打も厳しそう。最近でシーズン20発をマークしたのは2015年までさかのぼらなければならず、しかも140試合の出場だった。ちなみに日米通算本塁打は322本となっている。
今季中に達成濃厚なのはNPB通算400二塁打とNPB通算1000四球。あと6本に迫っているNPB400二塁打は過去12人しか達成していない価値のある記録だ。
価値があると言えば、藤川球児は名球会入り目前だ。2019年までにNPBで59勝35敗241セーブ162ホールド、MLBで1勝1敗2セーブ1ホールドを挙げており、名球会入りの条件である日米通算250セーブまであと7、NPB通算250セーブもあと9に迫っている。
さらに日米通算200ホールドまであと37、日米通算800試合登板まであと5、日米通算1000投球回まであとあと51.1回としており、7月で40歳のベテランとはいえ、昨季56試合に登板したスタミナがあれば今季中に達成可能だろう。
藤川と並んで目前に迫っているのが糸井嘉男の通算300盗塁。オリックス時代の2016年に53盗塁でタイトルを獲得した俊足は、7月で38歳になる今年も健在だ。昨季は9盗塁に終わったが、2018年まで11年連続2桁盗塁をマークした糸井なら早々に達成してくれるだろう。
41歳の能見篤史も1500奪三振まであと23に迫っている。2012年に172三振で最多奪三振に輝くなど、通算103勝を挙げているベテラン左腕に勲章が加わる。
巨人・菅野と開幕戦で投げ合う予定の西勇輝は現在84勝。菅野の87勝には及ばないが、節目の通算100勝まであと16勝だ。これまでの最多勝利はオリックス時代の2014年に上げた12勝、今季は120試合ということを考えると大きな期待はできないが、もし今季中に到達できればチームも優勝に近付いているだろう。
無観客で開幕する前代未聞のシーズン。より多くの記録を達成するのは巨人か、阪神か。ペナントレースの行方とともに記録にも注目したい。
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