2020年シーズンの最年長は福留と山井に
11月も下旬になり、各球団の新入団選手発表会が始まった。2020年シーズンからプロ1年生として戦う選手たちの目は希望に満ちており、彼らの活躍を楽しみにしているファンも多い。
一方、2019年シーズン限りで、福浦和也(ロッテ)や上原浩治(巨人)をはじめ、多くのベテランがユニフォームを脱いだ。こうして時代は変わっていく。
ともに1975年生まれの上原と福浦の引退により、球界最年長野手は1977年生まれの福留孝介(阪神)、最年長投手は1978年生まれの山井大介(中日)となることが濃厚だ。
福留は1998年ドラフト1位(逆指名)で中日へ入団。メジャーを経て阪神に移籍、2020年はプロ22年目のシーズンとなる。山井は2001年ドラフト6巡目で中日に入団。一度も移籍を経験せず、中日一筋で18年目を迎える。さて、そんな大ベテランとなるふたりだが、ドラフトの同期にはどのような選手がいたのだろうか。1998年、2001年のドラフトを振り返る。
1998年は松坂世代に上原、福留、岩瀬、新井と大豊作
1998年は「横浜」に沸いた1年だった。春夏の甲子園を横浜高校が制覇。プロ野球界では横浜ベイスターズが38年ぶりの日本一に輝いた。その年のドラフトは社会人・大学の選手に逆指名制度が採用されており、1チーム最大2名までその枠を利用できた。
その枠を最大限に活用したのが中日だ。2枠で福留、そして岩瀬仁紀と長きに渡ってチームの柱となる選手を獲得した。3位以下でも小笠原孝や蔵本英智を指名しており、全体的にも大当たりのドラフトだった。
その他の逆指名組では巨人に上原浩治と二岡智宏、ロッテに小林雅英と里崎智也らの名前が並ぶ。名球会入りを果たした中日のふたりには及ばないものの、大成功と言っていい。
逆指名組以外では、春夏の甲子園を制覇した横浜高校のエース松坂大輔に注目が集まった。松坂には西武、横浜、日本ハムの3球団が入札。抽選の末に西武が交渉権を獲得した。他に藤川球児が阪神から1位指名を受け、今も尚、現役でプレーしている。
下位指名から飛躍を遂げた選手には新井貴浩(広島6位)、森本稀哲(日本ハム4位)、金城龍彦(横浜5位)がいる。
現時点で福留、岩瀬、新井と3人の名球会入り選手が生まれており、その他にも上原、藤川、松坂が揃う豊作だった年といえる。
2001年ドラフトでは石川雅規や大竹寛が指名を受ける
山井が指名を受けた2001年のドラフトでは、逆指名制度に代わり、高校生以外で1チーム2人までの自由獲得枠が設けられた。この自由獲得枠で入団し、もっとも実績を残しているのが石川雅規(ヤクルト)だろう。
石川は1年目からローテーションに入り新人王を受賞する。その後も第一線で活躍しており、2019年シーズンも若手に負けずチーム最多の8勝をマーク。現在171勝と200勝まであと29勝に迫っている。
その他の自由獲得枠にはオリックスの平野恵一、西武の細川亨がいる。自由獲得枠以外の選手では、中村剛也(西武2巡目)と栗山巧(西武4巡目)のふたりが目をひく。西武で18年目を迎えた両ベテランは2019年シーズンもチームを引っ張り、リーグ2連覇に大きく貢献した。
また、大竹寛(広島1巡目→巨人)、石原慶幸(広島4巡目)、近藤一樹(近鉄7巡目→ヤクルト)が現役でプレーしており、2020年シーズンも戦力として期待されている。
2019年シーズン限りでユニフォームを脱いだ選手には、今江敏晃(ロッテ3巡目→楽天/引退までの登録名・年晶)、髙橋聡文(中日8巡目→阪神)、寺原隼人(ダイエー1巡目→横浜→オリックス→ソフトバンク→ヤクルト)がいる。
多くの選手が現役を引退している1998年、そして2001年のドラフト指名組。福留と山井にはそんな彼らの思いも背負って2020年シーズンも戦ってほしい。