原監督直系の東海大相模―東海大出身
背中が重いと感じることはあるのだろうか。巨人・大城卓三捕手が今季から背番号「24」を背負っている。昨年までの「46」から期待をかけられての変更だろう。
プロ2年目の2019年は109試合に出場して打率.265、6本塁打、30打点。身長187センチ、体重90キロの恵まれた体格に、誰もが認める打撃センス、さらに東海大相模―東海大(―NTT西日本)と来れば、直系の先輩にあたる原辰徳監督が大型捕手として期待をかけるのもうなずける。捕手登録ながらファーストでも起用されるのは、その打力を活かしたいという首脳陣の狙いだろう。
背番号が単に若くなっただけなら発奮材料にできる。ただ「24」は名だたる先輩が背負ってきた番号だけに、結果を残さなければ周囲の雑音も大きくなり、プレッシャーとしてのしかかる。「環境が人を変える」と言うが、プロ野球の場合は「背番号が選手を変える」ことも往々にしてあるのだ。いい意味の場合もあれば、もちろん悪い意味で変わることもある。
前監督・高橋由伸、絶好調男・中畑清の「24」
2018年まで指揮を執った高橋由伸前監督は、言うまでもなく球団史に残る打者だ。慶応大時代に六大学史上最多の23本塁打を放ち、ドラフト1位で巨人入団。現役18年間で通算321本塁打、986打点をマークし、引退してすぐに監督就任した。常に日の当たる道を歩んできた、紛れもないスターだ。
さらにさかのぼると、ストッパーとして活躍した石毛博史、慶応大からドラフト1位で入団したスラッガー・大森剛、「絶好調男」中畑清らそうそうたる名前が並ぶ。
大城が意識してもしなくても、彼らと比較されることは避けられない。それが「24」を背負う宿命と言っても過言ではないだろう。
低めのボール球を見極められるか
2020年のオープン戦は16試合で42打数8安打の打率.190、2本塁打、6打点とアピール不足だった。
気になるのは三振の多さ。昨年は規定打席に達していないが、チームでワースト5位の80三振。「四球÷三振」で選球眼の良さを示すセイバーメトリクスの指標BB/Kは0.31と低い。セ・リーグトップの鈴木誠也(広島)は1.27、同僚のスラッガーで、昨季チームワーストの132三振を喫した岡本和真でも0.47だから、いかに低いか分かるだろう。
SPAIAのヒートマップを見ると、低めのボール球に手を出していることが一目瞭然だ。左投手に対しては外角低め、右投手に対しては内外関係なく低めのボール球で三振している。
ここまで如実に傾向が出ると相手投手は攻めやすい。2020年はいかに低めを見極めるかが大城の成績を大きく左右しそうだ。
2020年プロ野球・読売ジャイアンツ記事まとめ