打率.316、29本塁打、69打点で前半戦終了
メジャーリーグはオールスターまでの前半戦全日程を終了した。ドジャース大谷翔平は前半戦最後のタイガース戦で前田健太から内野安打を放つなど4打数2安打。94試合出場で打率.316、29本塁打、69打点、23盗塁をマークしている。
トリプルスリーだけでなく、打率はナ・リーグ2位、本塁打は1位、打点は3位につけており、三冠王も視界に捉えている。
メジャーリーグはオールスターまでの前半戦全日程を終了した。ドジャース大谷翔平は前半戦最後のタイガース戦で前田健太から内野安打を放つなど4打数2安打。94試合出場で打率.316、29本塁打、69打点、23盗塁をマークしている。
トリプルスリーだけでなく、打率はナ・リーグ2位、本塁打は1位、打点は3位につけており、三冠王も視界に捉えている。
大谷は得意の6月に12発放ち、26本塁打のマーセル・オズナ(ブレーブス)に3本差をつけており、2年連続キングに向けて視界良好だ。
打点はリーグトップの77をマークしているオズナと8点差あるが、打順や他の打者の出塁にも影響されるため自分ではコントロールできない部分も多い。とはいえ、本塁打が増えれば自然と打点も増えるため、大谷が逆転する可能性は十分にあるだろう。
一番の難関は打率ではないか。大谷が渡米後に3割を打ったのは.304だった昨季が初めて。リーグ首位打者を走っているクリスチャン・イエリッチ(ブルワーズ)は.326で、少し開きがある。しかもイエリッチは2018年に.326、2019年に.329で2年連続首位打者に輝いた実績を持つ。
さらに打率.310で追うルイス・アラエス(パドレス)もツインズ時代の2022年に.316、マーリンズでプレーした2023年も.354で2年連続首位打者に輝いた実力者だ。大谷が三冠王を狙う上で強敵になることは間違いない。
しかし、決して過去の実績だけで悲観する必要はない。
MLBのデータ解析システム「スタットキャスト」は打率の期待値を示す「xBA」という指標を算出している。打者の場合、強い当たりが野手の正面に飛んでアウトになることもあれば、逆に幸運な安打もある。そういった運による部分を排除し、打球の角度や速度など様々なデータから現在の打率より上がる期待が持てるのか、下がる懸念があるのかを示すのが「xBA」だ。
3人のxBAを比較してみると、イエリッチは.301、大谷は.329、アラエスは.321。なんと大谷が一番高いのだ。
ほかにも長打率の期待値を示す「xSLG」や、打者が打席あたりにどれだけチームの得点増に貢献しているかを示す「wOBA」、その期待値を示す「xwOBA」などでも大谷が2人を上回っている。
大谷はパワーアップしているだけでなく、今季は三振割合を示す「K%」が21.9%とメジャー移籍後では最も低い。それだけ確実性が増しているということで、今季の高打率につながっている。
もっとも、イエリッチのK%は18.5%、アラエスに至っては5.8%と大谷より格段に三振が少ない。やはり三冠王、中でも首位打者を獲るのは簡単ではないが、今季の大谷なら…という期待を持てるのも確かだ。
MLBの三冠王は2012年のミゲル・カブレラが最後。日本が誇るスーパースターは今秋、またしても見たことのない景色を我々に見せてくれるだろうか。
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