ドジャースタジアムは通算打率.357
米大リーグ、エンゼルスからドジャースへ世界のスポーツ史上最高額となる10年総額7億ドル(約1015億円)で移籍が決まった29歳の大谷翔平は来季どこまで打者として躍進するのか―。
今季はエンゼルスで打者として打率.304、44本塁打、95打点をマークし、日本人初の本塁打王を獲得。12月16日にはアメリカン、ナショナル各リーグで傑出した打者をファン投票などで選ぶ「ハンク・アーロン賞」に日本選手として初めて受賞した。
今秋受けた右肘手術の影響で来季は野手一本となる見込みだが、MLBに関するデータサイト「ベースボール・レファレンス」を見てみると、新天地ドジャースとの好相性ぶりにも期待感が高まる。
大谷の球場別通算打撃成績を分析すると、ドジャースの本拠地ドジャースタジアムでは通算15試合出場で打率.357(28打数10安打)、1本塁打、出塁率.457、長打率.679と好成績。2本の三塁打も記録している。
これまでア・リーグのエンゼルスに所属していたこともあり試合数は少ないが、今季に限れば2試合で打率.571と驚異的な成績を残した。来季へ向けて「追い風」の要素となるだろう。
ナ・リーグ西地区のダイヤモンドバックスや名物ロッキーズ球場でも好成績
大リーグは各球場でフェンスの高さやファウルゾーンの広さが異なり、レッドソックスの本拠地はグリーン・モンスターと呼ばれる高さ37フィート(約11.3メートル)の巨大なフェンスが設置されるなど個性豊かな形状で知られている。
ドジャースは1890年にニューヨークのブルックリンを本拠地としてナ・リーグに参入し、1958年にロサンゼルスに移転。ダイヤモンドバックス、ロッキーズ、パドレス、ジャイアンツと同じナ・リーグ西地区に所属する。
来季から対戦機会が増えるナ・リーグ西地区の球場別通算打撃成績をデータで見ると、ダイヤモンドバックスの本拠地チェイス・フィールドでは通算5試合で大谷は打率5割(8打数4安打)、標高約1600メートルの高地で「打者有利」とされるロッキーズの名物クアーズ・フィールドでも通算7試合で打率.318(22打数7安打)、1本塁打と好成績を残している。
一方、パドレスの本拠地ペトコ・パークでは通算8試合で打率.125(16打数2安打)、ジャイアンツの本拠地オラクル・パークでは通算3試合で打率0割(8打数0安打)とこれまで相性が良いとは言えない。
両リーグ本塁打王の偉業達成へこうした球場との相性や課題の克服も一つの鍵を握りそうだ。
エンゼルス球場では打率.277
新天地ドジャースは1947年に黒人選手として初めてジャッキー・ロビンソンがメジャーでプレーし、1955年にワールドシリーズ(WS)を初制覇。直近10年で9度のレギュラーシーズン地区優勝しており、WS制覇へポストシーズンを戦う常連チームでもある。2020年には32年ぶり7度目となるWS制覇を達成している。
大谷はメジャー挑戦から6年在籍したエンゼルスでは投打「二刀流」を確立。今季までプレーしたエンゼルスの本拠地では通算351試合で打率.277(1246打数345安打)、99本塁打、出塁率.369、長打率.585の成績を残している。
今季は2年ぶり2度目のア・リーグ最優秀選手(MVP)にも輝いた。過去に野茂英雄、石井一久、黒田博樹、前田健太、ダルビッシュ有、中村紀洋、筒香嘉智ら多数の日本選手が所属した名門ドジャースで、来季は両リーグMVPへの夢も広がっている。
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