藤浪晋太郎がアスレチックス移籍
阪神からポスティングシステムで米メジャーリーグのアスレチックスに移籍した藤浪晋太郎投手(28)には、これまでのメジャー挑戦した選手とは違う期待や楽しみがある。
ひとつは2022年に3勝、直近4年間でも計7勝しか挙げていない右腕がどこまで通用するかという点だ。2022年は推定4900万円だった年俸が、325万ドル(約4億2250万円)+出来高とはね上がったことからもポテンシャルを高く評価されていることが分かる。
藤浪がアメリカで活躍すれば、日本で実力をフルに発揮できていない選手にとっても希望の光となるだけに、そういう意味でも注目度は高い。
もうひとつはエンゼルス大谷翔平投手(28)との対戦だ。同じア・リーグ西地区に所属する両チームは、2023年に13試合が組まれており、3月30日(日本時間31日)から始まる開幕3連戦で対戦する予定。開幕カードでいきなり大谷vs藤浪が実現する可能性があるのだ。
高校時代は大谷が先制本塁打も逆転負け
2012年の選抜高校野球大会。花巻東の大谷と大阪桐蔭の藤浪はでプロ注目の選手だった。ともに190センチを超える長身右腕。大谷は打者としても4番を打っていた。
そんな2人が初戦でいきなり激突。2回に先頭打者として打席に立った大谷が、藤浪のスライダーを右中間スタンドに放り込んだ。マウンド上で苦笑いする藤浪を横目にダイヤモンドを一周した大谷のソロ本塁打で花巻東が先制した。
しかし、4回は先頭打者で四球、6回1死の第3打席はサードライナー、9回は先頭打者としてショートフライと凡退。試合は大阪桐蔭が6回に逆転して9-2で勝利した。大谷は打者として3打数1安打1打点、投手としては8.2回で173球を投げ、7安打、11奪三振、9失点で初戦敗退した。
本塁打こそ打たれたものの9回8安打、12奪三振、2失点で勝利に貢献した藤浪は、その後も勝ち上がって優勝。夏の甲子園も制して春夏連覇の原動力となった。
NPBでは大谷が3打数2安打
2012年ドラフトで大谷はメジャー希望を表明していたが、最終的には強行指名した日本ハムに入団。藤浪は4球団競合の末、地元・阪神に入団した。
プロでの唯一の対戦は1年目だった。2013年5月26日の交流戦(甲子園)。2回、先頭打者として打席に立った大阪桐蔭の先輩・中田翔に二塁打を打たれた藤浪は、無死二塁で5番レフトでスタメン出場していた大谷を打席に迎えた。注目のプロ初対決にスタンドが沸く中、藤浪が初球からストレートで押し、5球目のカットボールでレフトフライに打ち取った。
しかし、4回の第2打席はレフトへ二塁打、6回の第3打席は右中間二塁打と大谷が意地を見せて3打数2安打。試合は阪神が7-1で大勝したが、ライバル対決は大谷に軍配が上がったと言えるだろう。
高校とプロを通算すると、6打数3安打1本塁打1打点1四球。メジャーの大舞台で8度目の対戦は実現するだろうか。会見で大谷との対戦について問われた際は「全部敬遠してやります」とうそぶいた藤浪だが、10年ぶりの真剣勝負を楽しみに待とう。
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