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大谷翔平はMLB史上17人目?27歳以下で50本塁打以上のスラッガーたち

2021 8/23 06:00湯浅大輝
エンゼルスの大谷翔平,Ⓒゲッティイメージズ
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Ⓒゲッティイメージズ

メジャー一番乗りの40号、打点王との二冠も視界

エンゼルス大谷翔平の躍進が止まらない。8月18日(日本時間19日)のタイガース戦に「1番投手」で先発出場すると8回の第4打席でソロホームランを放ち、今季両リーグ最速で40号に到達。投げては8回を投げ、1失点で今季8勝目を挙げた。

22日現在の打者・大谷の成績は、打率.269、40本塁打(リーグ1位)、88打点(リーグ4位)、OPS1.001(リーグ2位)、18盗塁。投手としては、18試合に登板し、8勝1敗、防御率2.79、奪った三振は120。まさに「異次元」の活躍を見せつけている。

27歳以下で1シーズン50本塁打以上はわずか16人

現在40本塁打を放っている大谷は、リーグ2位のゲレーロJr.に4本差をつけている。タイトル争いももちろんだが、気になるのはどこまで本塁打数を伸ばせるか。エンゼルスは125試合消化しており、162試合に換算するとシーズン終了時の本塁打数は52本になる。

大谷は1994年7月生まれの27歳。メジャーデビューからまだ4年目だから驚きだ。では、27歳以下で1シーズン50本塁打以上を記録した選手はどれくらいいるのだろうか。

27歳以下で50本塁打以上を記録した選手


メジャーの長い歴史上でもわずか16人が19回のみ(ベーブ・ルース、ラルフ・カイナー、アレックス・ロドリゲスは2度記録)。印象深いのは、2017年に59本塁打を放ったジャンカルロ・スタントンだろうか。同年、スタントンはイチローとともにマーリンズでプレー。本塁打王、打点王の二冠に輝きMVPを獲得した。

ちなみにイチローは開幕時43歳ながら、シーズンでは代打安打のシーズンメジャー記録28本にあと1本に迫る27安打を放つ活躍を見せた。

他にも、現在もMLBを代表するスーパースターのアーロン・ジャッジ(ヤンキース・2017年)やピート・アロンソ(メッツ・2019年)らが同じく50本以上を記録している。16人の名前を見ても球史に残る強打者ばかり。いかに至難の業か分かるだろう。

今季AB/HR10.50はリーグトップ

しかも大谷は二刀流として限られた打数の中でこれだけのホームランを放っているから驚異的だ。言うまでもないが、27歳以下で50本以上を記録した選手全員が野手だ。

唯一の例外がベーブ・ルースだが、1920年から打者に本格的に専念しており、投手としては同年はわずか1試合に登板したのみだった。

今季の大谷のAB/HR(本塁打を記録するまでにかかる打数)は、なんと10.50。この数字はリーグトップである。2位のゲレーロJr.の12.31と比較すると、大谷の数字がより際立って見える。

投手としても出場するため肉体的にも精神的にも負担は計り知れないが、大谷の涼しげで爽やかな表情はいつも変わらない。

大谷は17人目の偉業を「二刀流」で達成できるか。誰も見たことのない頂へ、ラストスパートが期待される。

※成績は8月22日現在

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