2010年の興南以来15年ぶり決勝
第107回全国高校野球選手権大会準決勝は日大三(西東京)が県岐阜商(岐阜)を4-2、沖縄尚学(沖縄)が山梨学院(山梨)を5-4で下し、決勝進出を決めた。23日10時から行われる決勝で日大三が夏3度目、沖縄尚学は夏初優勝を狙う。
沖縄県勢は春のセンバツも含めると、これが7度目の決勝戦。2010年に春夏連覇した興南以来15年ぶりだ。
今では全国的な強豪を有する県だが、かつてはアメリカ統治下にあったため、1958年夏の甲子園に沖縄県勢として初出場した首里ナインは、持ち帰ろうとした甲子園の土が植物防疫法に抵触したため海に捨てられた逸話も残る。沖縄県勢の甲子園決勝戦を改めて振り返ろう。

沖縄尚学は2度のセンバツ優勝
初めての決勝進出は1990年夏だった。栽弘義監督率いる沖縄水産が天理(奈良)と激突。同年ドラフトで日本ハム入りする193センチの長身右腕・南竜次を打ち崩せず、完封負けで涙を呑んだ。
沖縄水産は翌1991年も決勝進出。右肘痛をおして投げ続けたエース大野倫が大阪桐蔭(大阪)打線につかまり、8-13でまたも準優勝に終わった。
沖縄に初の優勝旗を持ち帰ったのは1999年センバツの沖縄尚学だ。比叡山(滋賀)、浜田(島根)、市川(山梨)、PL学園(大阪)を破り、決勝でも水戸商(茨城)に7-2で快勝。エース比嘉公也は後に母校の監督に就任し、4番の比嘉寿光は早稲田大を経て広島入りした。
2度目の優勝は2008年センバツ。9年前にエースだった比嘉公也監督率いる沖縄尚学は、東浜巨と嶺井博希(ともに現ソフトバンク)のバッテリーで聖望学園(埼玉)に9-0で完勝した。
興南は春夏連覇
2010年センバツでは興南が快進撃。左腕エース島袋洋奨を擁して決勝進出し、山﨑福也(現日本ハム)、髙山俊(現新潟)らのいた日大三(東京)と延長12回の激闘の末、10-5で頂点に立った。
興南は同年夏も勝ち上がり、決勝は一二三慎太(元阪神)と大城卓三(現巨人)がバッテリーを組んでいた東海大相模(神奈川)と対戦。4回に一挙7点を奪う猛攻を見せ、13-1で沖縄県勢として夏初優勝、史上6校目の春夏連覇を果たした。
沖縄県勢の対東京勢成績は夏が3勝3敗と互角。2015年夏の準々決勝で興南が関東第一(東東京)に4-5で敗れたのが最後の対戦だ。
センバツでは2勝3敗で、2023年3回戦で沖縄尚学が東海大菅生(東京)に0-1で敗れて以来の東京勢との対戦となる。センバツで2度の優勝を誇る沖縄尚学が初めて深紅の大優勝旗をつかむか。
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