「スポーツ × AI × データ解析でスポーツの観方を変える」

第105回全国高校野球チーム成績ランキング、データが示す最強はどこだ?

2023 8/6 06:00SPAIA編集部
甲子園球場,ⒸKPG_Payless/Shutterstock.com
このエントリーをはてなブックマークに追加

ⒸKPG_Payless/Shutterstock.com

チーム打率1位は悲願の全国制覇狙う近江

第105回全国高等学校野球選手権記念大会が6日、阪神甲子園球場で開幕する。今夏は地方大会で波乱が相次ぎ、今春センバツ優勝の山梨学院や準優勝の報徳学園、ベスト4の大阪桐蔭などが甲子園出場を果たせなかった。

混戦模様と伝えられる105回目の夏を制するのはどこだろうか。各地方大会のチーム成績を参考に予想してみたい。

当然ながら地方大会は都道府県によって試合数もレベルも違うため一概には言えないが、直近のチーム力を図る上で貴重なデータではある。チーム打率のベスト10は以下の通りとなっている。

第105回全国高校野球チーム成績ランキング


49代表中最高のチーム打率.435を叩き出したのが近江(滋賀)。中止の第102回大会を挟んで5大会連続17回目の出場と、滋賀県の高校球界を引っ張る存在だ。

滋賀大会準々決勝は比叡山に3-0、準決勝は八幡商に11-1、決勝は滋賀学園に8-7と、いずれも甲子園出場経験のある高校をねじ伏せた。

本塁打数はなくパンチ力には欠けるが、1試合平均1.8失点も49校中21位と悪くない。初戦は大垣日大(岐阜)との隣県対決。2001年夏、2022年春の準優勝が甲子園最高成績で、同校としても県勢としても悲願の全国制覇へモチベーションは高い。

チームカラー似ている東海大甲府と聖光学院

チーム打率2位の.433をマークしているのが東海大甲府(山梨)。1試合平均得点11.0、チーム本塁打7本ともに49代表中2位と破格の攻撃力を誇る。山梨大会決勝では、センバツ王者・山梨学院を破って勝ち上がった駿台甲府を6-2で下して14回目の甲子園を決めた。

ただ、山梨大会準々決勝の青洲戦で15-11、準決勝の甲府工戦で14-10と乱打戦を制しており、1試合平均5.2失点は49代表でワースト。甲子園では失点をいかに抑えるかがカギと言えるだろう。初戦の専大松戸(千葉)戦は好カードだ。

チーム打率.428で3位の聖光学院(福島)も東海大甲府とチームカラーが似ている。1試合平均11.8得点は出場校中最多だが、逆に1試合平均3.4失点は下から3番目。福島大会決勝の学法石川戦は延長10回タイブレークの末、11-10の逆転サヨナラ勝ちだった。

昨夏甲子園で4強入りしたメンバーも残っており、投手陣の踏ん張り次第では上位も狙えそうだ。初日の第2試合で共栄学園(東東京)と対戦する。

断トツ12本塁打の智弁学園、投打のバランス取れた履正社

チーム打率4位の.403を誇る智弁学園(奈良)は1試合平均10.2得点で3位、さらに12本塁打は2位に5本差をつけて49代表で断トツ1位だ。松本大輝は奈良大会決勝の高田商戦で2本塁打を放つなど高校通算31発を放っている。

今春奈良大会で天理を下して優勝し、近畿大会でも初戦で大阪桐蔭を破って優勝。近畿大会決勝は金光大阪に10-0で完勝するなど高いレベルで安定している。

初戦は英明(香川)と対戦。2年前の夏の甲子園では前川右京(現阪神)を擁して準優勝した強豪が、1990年の天理以来となる奈良県勢2校目の夏の全国制覇を狙う。

5位はチーム打率.401の履正社(大阪)。1試合平均10.0得点で5位、チーム本塁打も8位の5本といずれもハイレベルだ。大阪大会決勝では大阪桐蔭のプロ注目左腕・前田悠伍から3点を奪って、優勝した2019年以来の夏の甲子園を決めた。

増田壮と福田幸之介の左の2枚看板を擁して、大阪大会は49代表中8位の1試合平均1.1失点と安定。投打のバランスでは49校の中でも屈指と言えるだろう。初戦は鳥取商。センバツで初戦敗退して夏にリベンジを期すのは2019年と同じ流れだが果たして…。

連覇狙う仙台育英は初戦の浦和学院戦カギ

チーム打率が4割を超えているのは以上の5校。6位以下は.399の立正大淞南(島根)、.396の仙台育英(宮城)、.395の前橋商(群馬)、.394の文星芸大付(栃木)、.394の日大三(西東京)と続く。

その中で目を引くのは昨夏の覇者・仙台育英だ。1試合平均得点は3位の10.2、平均失点は1位の0.4と抜群の数字を残している。宮城大会決勝では仙台城南を18-0を下すなど県内では無敵状態だ。

高橋煌稀や湯田統真ら5投手がいずれも140キロを超える。今大会の優勝候補の一角に挙がるのも当然だろう。

初戦の浦和学院(埼玉)戦は1回戦屈指の好カード。浦和学院もチーム打率14位の.379、1試合平均6位の9.4得点、同4位の0.7失点と投打ともハイレベルの強豪だ。勝ち上がった方が3回戦で履正社とぶつかる可能性もあり、このブロックが大会の行方を左右すると言っても過言ではない。

群雄割拠の105回目の夏。記録的な猛暑対策もカギだろう。深紅の大優勝旗を手にするのはどこだろうか。

【関連記事】
第105回全国高校野球組み合わせトーナメント表、2023年夏の甲子園を制するのは?
高校野球「スーパー1年生」が全国で続々デビュー!注目の逸材目白押し
高校野球史上2人しかいない甲子園で完全試合を達成した名投手