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高校野球「スーパー1年生」が全国で続々デビュー!注目の逸材目白押し

2023 7/20 11:00内田勝治
甲子園球場,ⒸKPG_Payless/Shutterstock.com
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ⒸKPG_Payless/Shutterstock.com

将来の高校球界を背負って立つ逸材 健大高崎の佐藤龍月と石垣元気

第105回全国高校野球選手権記念大会の地方大会は各地で熱戦が繰り広げられている。高校に入学してまだ3カ月あまりの1年生もベンチ入り、またはスタメンに抜擢され、活躍するケースも少なくない。高校デビューを果たした「スーパー1年生」をピックアップしたい。

■佐藤龍月(りゅうが)投手(群馬・健大高崎)

中学時代は名門の東京城南ボーイズに所属し、U15日本代表にも選出。中学ナンバーワンサウスポーの呼び声も高く、数十校が争奪戦を繰り広げた結果、兄の志龍(しりゅう、3年)が在籍する健大高崎に進学した。

今春の群馬大会から登板を果たし、関東大会ではエース小玉湧斗投手(3年)の故障もあって背番号1を背負うと、準決勝の専大松戸(千葉)戦では先発で4回1失点と好投。チームの5年ぶり3度目優勝に大きく貢献した。

背番号17となった今夏の群馬大会は2回戦の沼田戦でリリーフデビュー。3回戦の伊勢崎商戦で先発し、140キロ台前半の直球と切れのあるスライダーを武器に3回を1安打無失点、4奪三振の好投を見せた。

■石垣元気投手(群馬・健大高崎)

前出の佐藤龍月と双璧をなす最速145キロ右腕。中学時代は洞爺湖リトルシニアに在籍し、北海道選抜に選出された。

今春群馬大会決勝の明和県央戦では3番手で登板。自己最速を更新する145キロをマークするなど1回を無失点に抑えると、関東大会準々決勝の帝京(東東京)戦で公式戦初先発。7回をわずか1安打無失点に抑える快投で勝利投手となった。

今夏の群馬大会は3回戦の伊勢崎商戦で佐藤龍月の後を受け、2番手で初登板。2回を無安打無失点、4奪三振と上々のデビューを飾った。

佐藤龍月と石垣元気。近い将来、高校野球界を背負っていく逸材と青柳博文監督も期待を寄せる左右の両輪から今後も目が離せない。

U15でキューバ打線を“幻の完封” 辻琉沙は履正社で野手デビュー

■辻琉沙(りゅうさ)内野手(大阪・履正社)

滋賀・野洲ボーイズ時代、佐藤龍月らとともに、投打二刀流で出場した「第5回WBSC U–15ワールドカップ」のキューバ戦で先発投手として登板。変速サイド右腕から繰り出す最速130キロの直球をコーナーへ投げ分け、世界の強豪を相手に4安打完封勝利を挙げたが、試合後に大会ルールの球数制限を超過していたことが発覚。日本代表の0–7敗戦となった。

進学した履正社では今夏大阪大会、内野手として1年生でただ一人ベンチ入り。2回戦の大阪公立大高専戦では代打で公式戦デビューし、2安打を放った。

春の東京都大会で強打の日大三打線を抑えた関東第一・坂本慎太郎

■坂本慎太郎投手(東京・関東第一)

こちらも茨城・取手リトルシニア時代に投打二刀流でU15日本代表に選出。身長167センチと小柄ながら、最速135キロの直球と90キロ台のスローカーブを操るサウスポーで、今春の東京都大会からベンチ入り。準決勝の日大三戦で公式戦初先発を果たすと、5回1失点の好投で関東大会進出を決める勝利を呼び込んだ。

今夏の東東京大会は背番号17でベンチ入り。主に2番左翼で出場するなど、野手としても非凡な能力を発揮している。

明石の豪腕・福田拓翔は東海大相模で活躍

■福田拓翔(たくと)投手(神奈川・東海大相模)

兵庫・明石ボーイズ時代、身長183センチの長身から最速142キロの直球を投げ込むなど、全国でも知られた逸材。東海大相模に進学し、今春神奈川大会3位決定戦の横浜隼人戦、2番手で公式戦デビューを果たすと、5回1/3を1失点とロングリリーフの重責をしっかりと果たした。

今夏神奈川大会は背番号15でベンチ入り。2回戦の湘南学院戦では1点リードの8回から登板して同点とされるが、打線がその裏に2点を奪い逆転。続く9回を0点で締め、難しい初戦でチームの勝利に貢献した。

名門・横浜のクリーンアップに座る愛知の好打者・阿部葉太

■阿部葉太外野手(神奈川・横浜)

愛知・豊橋ボーイズ時代、チームの先輩で、横浜の正捕手として活躍した立花祥希捕手(現国学院大)の勧めもあり、横浜への進学を決断。6月に行われた招待試合では1年生で唯一の一桁背番号となる8を背負い、スタメンに名を連ねた。

今夏神奈川大会では背番号20でベンチ入りし、初戦となる2回戦の上溝南戦で「5番・中堅」に抜擢。3安打2盗塁と村田浩明監督の起用に見事に応えてみせた。

他にも続々と高校デビューを果たした1年生が各地に多数いる。中学時代のほとんどをコロナ禍で過ごした彼らの今後に期待したい。

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