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【高校野球】甲子園で優勝未経験の14県へ初の大旗を持ち帰るのは?

2022 8/4 11:00SPAIA編集部
阪神甲子園球場,Ⓒbeeboys/Shutterstock.com
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優勝候補筆頭は大阪桐蔭も

第104回全国高等学校野球選手権大会は6日に阪神甲子園球場で開幕する。初出場は札幌大谷(南北海道)、明秀日立(茨城)、社(兵庫)、帝京第五(愛媛)の4校と少ないが、37年ぶりの国学院栃木(栃木)、33年ぶりの日大三島(静岡)、48年ぶりの盈進(広島)など久々の出場となった高校もある。いわゆる甲子園常連校だけでなく、多彩な顔ぶれと言えるだろう。

優勝候補の筆頭はセンバツ優勝して3度目の春夏連覇を狙う大阪桐蔭。戦力や経験値でも抜けていると見られるが、何が起こるか分からないのが高校野球だ。伏兵が台頭する可能性ももちろんある。

期待したいのは、いまだ春夏を通じて優勝のない14県の代表だ。

春夏とも甲子園で優勝のない都道府県


北海道勢は田中将大のいた駒大苫小牧が2004年、2005年に夏の甲子園を連覇したが、東北にはいまだ大旗を持ち帰った学校はない。青森県は太田幸司を擁する三沢が1969年に準優勝、北條史也(現阪神)と田村龍弘(現ロッテ)のいた光星学院(現八戸学院光星)が2011年夏、2012年春夏と3季連続準優勝したのが最高成績となっている。

岩手県は菊池雄星を擁した花巻東が2009年センバツで準優勝。秋田県は1915年夏に秋田中、記憶に新しい2018年夏に金足農が決勝まで勝ち上がったが、あと一歩で涙を呑んだ。

たびたび上位進出している宮城県もいまだ頂点に立ったことはない。仙台育英は1988年夏、2001年春、2015年夏の3度準優勝、東北はダルビッシュ有を擁した2003年夏に準優勝している。

福島県は1971年、「小さな大投手」田村隆寿の力投で磐城が準優勝。山形県は決勝進出もなく、2005年センバツの羽黒と2013年夏に日大山形がベスト4入りしたのが最高だ。

山梨県は意外にベスト4が最高成績

山梨県も近年は上位進出することも珍しくないが、意外に決勝進出はない。東海大甲府は1985年夏、1987年春、1990年春、2004年夏、2012年夏と5度ベスト4。1967年春に甲府商、1991年春に市川も準決勝進出している。

新潟県は名勝負として語り継がれる2009年夏、日本文理が県勢初の決勝で中京大中京と死闘を演じ、準優勝した。富山県は1986年センバツで旋風を巻き起こした新湊が4強入りしたのが唯一。夏はベスト8が最高成績となっている。

石川県も優勝に手が届きそうで届かない。1995年夏と2019年夏に星稜が準優勝。1995年は山本省吾、2019年は奥川恭伸(現ヤクルト)と好投手がいたが、惜しくも大旗は逃した。

滋賀県は近畿で唯一優勝していない。2001年夏と2022年春に近江が準優勝したが、頂点には立てなかった。鳥取県は1960年センバツで米子東が準優勝したのが最高だ。

島根県は1917年夏の杵築中、1923年夏の松江中、2003年の江の川のベスト4が最高成績。宮崎県は2013年夏に延岡学園が決勝進出したが、髙橋光成(現西武)を擁する前橋育英に敗れた。

センバツのリベンジ狙う近江

かつては雪国のハンデや選手層の格差が大きく、「優勝旗が白河の関を越えるのはいつの日か」と言われたが、北海道の駒大苫小牧が優勝し、岩手県は菊池雄星や大谷翔平(花巻東)、佐々木朗希(大船渡)ら好投手を輩出。今夏は甲子園出場を逃したが、花巻東で高校通算74本塁打を放っている2年生スラッガー、佐々木麟太郎が全国的な話題を呼ぶなど、東北のレベルは格段に上がっている。どの県が初優勝を果たしても決して驚けないだろう。

今夏、14県の代表で前評判が高いのは、滋賀県の近江だ。今春センバツは出場辞退した京都国際に代わって出場し、長崎日大、聖光学院、金光大阪、浦和学院を破って決勝進出。大阪桐蔭には1-18で大敗したが、エース山田陽翔は力強い投球で評価を高めた。

近江は4大会連続16回目の出場で、2018年はベスト8、2021年はベスト4と最近は何度も上位進出。山田にとっては4強、準優勝とひとつずつ階段を上っており、最後の夏に残された目標は頂点しかないだろう。

初戦は第2日第4試合で鳴門との対戦が決まった。大阪桐蔭にセンバツのリベンジを果たし、故郷に深紅の大優勝旗を持ち帰ることができれば最高のストーリーが完成する。頂点への道のりは険しいが、今大会がチャンスであることは間違いない。

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