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【奪三振率から見るセンバツ注目投手】明豊・太田虎次朗が13.36で1位 低奪三振率の好投手も

2021 3/18 17:20林龍也
甲子園球場ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

奪三振率トップは明豊・太田虎次朗

「春は投手力」という言葉があるように、冬のオフシーズンが明けてすぐに行われる春の選抜高校野球大会では、投手力が大会の行方を左右することが多い。投手力と言っても様々な要素があるが、今回は「奪三振率」という面から投手たちを見ていこう。

「奪三振率」に着目するためには、ある程度のイニングを投げていなければ比較が難しい。そこで「2020年秋の公式戦で試合数×2イニング以上を投げた投手」に限定し、その奪三振率を見ていくこととする。この条件で対象となるのは32校で46人。そのうち14校では2人の投手が該当、3人以上の投手が条件を満たしたチームはなかった。

46人の中でトップの奪三振率13.36をマークしたのは、明豊の太田虎次朗。32.1イニングを投げて48奪三振と、1イニングあたり約1.5個の三振を奪っていた計算になる。背番号10ながら被安打24、与四死球15と安定した投球を見せており、選抜での奪三振ショーに期待したくなる左腕だ。

エースの京本眞も20.1イニングで18三振を奪っており、ともに三振を量産できるタイプの投手と言える。ちなみに、太田の兄は読売ジャイアンツの投手・太田龍で、もしプロ入りすれば来年からはプロの舞台で対戦する可能性もある。

奪三振率2位の12.41をマークしたのは、神戸国際大付の阪上翔也。兵庫県大会では背番号8も、近畿大会からエースナンバーを背負ってチームを4年ぶりの選抜に導いた。41.1イニングを投げて57奪三振、防御率0.87と抜群の安定感を見せるも、右肘を痛め終盤は投げられず。一冬を越えて回復し、聖地でも奪三振マシンと化すか。

奪三振率12.30で3位にランクインしたのは、北海の145キロ左腕・木村大成だ。春・夏通算50回の甲子園出場を誇る同校にあって、歴代No.1左腕の呼び声高い木村は、52.2イニングを投げ72奪三振、防御率は驚異の0.34。伝統校史上初の優勝は、今春実現するかもしれない。

ちなみに、奪三振”数”トップは市和歌山の小園健太だった。最速152キロの剛速球を武器に、68.1イニングを投げ80奪三振、奪三振率10.54と、質・量ともにハイレベルな数字をマークした。4番で捕手の松川虎生とは貝塚ヤング時代からバッテリーを組み、中学3年時には全国優勝も経験。息の合ったコンビネーションで、選抜での三振量産を楽しみにしたい。

200発打線の陰に、低奪三振率ながら防御率1点台の好投手

主な選抜出場投手の昨秋公式戦成績


彼らのように圧倒的な奪三振能力を持つ投手だけでなく、一味違った投手も紹介したい。

柴田のエース・谷木亮太は、出場校中最多の81.2イニングを投げ、まさに「大黒柱」の活躍を見せた。しかし奪った三振は43で、奪三振率は4.74。被安打も76と圧倒的な投球を見せたわけではないが、多彩な変化球を駆使して、チームを春・夏通じて初の甲子園に導いた。

その谷木よりも低い奪三振率を記録したのが、健大高崎の右腕・野中駿哉だ。背番号7ながら主戦格として登板し、奪三振率2.54ながら防御率1.27をマーク。関東大会優勝に貢献した。「2年生だけで高校通算230本塁打」という打線が注目されるが、選抜ではその投手力・守備力も見逃せない。

また、鳥取城北の奥田智哉は23.1イニングを投げ奪三振率4.24ながら、防御率0.00をマーク。被安打、与四死球は多いが、まさに「打たせて取る投球」を展開した。21世紀枠の東播磨・鈴木裕斗は、ほぼ1人で秋の公式戦を投げ抜いた。80.1イニングを投げ77奪三振、奪三振率8.63、防御率1.01と好投し、春・夏通じて初の甲子園に乗り込む。

ここまで名前は挙がっていないが、今秋ドラフト会議での指名が期待される好投手たちの成績も見ていこう。「ポスト・高橋宏斗」の呼び声高い中京大中京・畔柳享丞は、49.2イニングで60奪三振、防御率0.72と圧倒的な数字を残した。天理の193cm右腕・達孝太は、52イニングで67奪三振と、やはり高い奪三振能力を秘めている。

大阪桐蔭の最速150キロ左腕・松浦慶斗は、48イニングを投げて33奪三振をマーク。意外にも、奪三振という点ではあまり目立った成績は残していなかったようだ。大阪桐蔭には154キロ右腕の関戸康介も控えるが、秋は故障のため登板機会が少なかった。

冒頭でも書いたように、これらの成績はあくまで昨秋のもの。一冬を越え、投手たちだけでなく打者たちも成長しているだろう。前評判通りの投球ができない投手もいれば、それ以上の投球を披露する投手も出てくるのが甲子園だ。2年ぶりの選抜で話題をさらうのは、果たして誰になるだろうか。

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