東京独自大会が7月18日開幕
夏の甲子園が中止になり、全国各地で独自の地方大会が開催されている。今春センバツに出場予定だった32校は、8月10日から始まる2020年甲子園高校野球交流試合に招待されているが、それ以外の高校3年生にとっては地方大会が最後。3年間の集大成となる。
東京でも7月18日から独自大会が始まる。すでに組み合わせは決定しており、東東京では帝京が26日に田園調布と目黒学院の勝者と、西東京では、甲子園交流試合で磐城(福島)と対戦する国士館が26日に神代と清瀬の勝者と初戦を迎える。
東京は高校野球草創期から私立勢が強く、長い歴史上で甲子園に出場した都立校はわずか4校。過去の足跡を振り返ってみよう。
箕島に完敗した国立、2度はね返された城東
都立で初めて甲子園の土を踏んだのは1980年夏の西東京代表・国立。進学校としても有名な国立は「都立の星」と話題を呼んだ。初戦の相手は前年に春夏連覇した箕島(和歌山)。横綱対前頭のような対決に、甲子園は半官びいきのファンの声援で溢れた。
しかし、5回に先制を許すと、じわじわと引き離され、結局0-5で完敗。夢の舞台はあっという間に終わった。
その後も私立の壁は厚く、次に都立が甲子園出場したのは1999年夏だった。東東京大会準決勝で早稲田実、決勝で駒大高を破った城東が初の聖地進出を決めた。
初戦となった2回戦、相手は2年前に全国制覇している智弁和歌山だ。初回に先制されたが、2回に1点を返して同点。都立高として甲子園初得点を挙げた。しかし、6回に勝ち越しを許すとズルズルとリードを広げられ、結局2-5で敗戦。都立校としての甲子園初勝利はお預けとなった。
2年後の2001年夏、城東は再び甲子園に舞い戻る。東東京大会で二松学舎大付、安田学園、関東一、岩倉と並み居る強豪私学を破っての2度目の甲子園だ。
対戦相手は佐賀代表の神埼。初出場校だけに初勝利への期待が膨らんだ。城東が2回に先制すると、アルプスは最高潮だ。しかし、4回に逆転され、結局2-4でゲームセット。待望の1勝はまたもお預けとなった。
雪谷はPLに大敗、小山台は履正社に大敗
さらに2年後の2003年夏に甲子園初出場を果たしたのは雪谷だった。今年7月1日に初勝利を挙げたオリックス・鈴木優の母校として話題になった。
初めての甲子園で初めての対戦相手はPL学園。名門私学対都立。15回目対初出場。大阪対東京。マスコミがくいつく、話題に事欠かない一戦は大差がついた。初回に3点を奪われ、雪谷は6回に1点を返すのが精一杯。1-13の完敗だった。
センバツに唯一出場した都立校が、2014年に21世紀枠で選ばれた小山台。初戦の対戦相手はこの大会で準優勝する履正社(大阪)だった。試合は2回に履正社に5点を奪われ、その後も加点を許して結局0-11のワンサイドゲーム。都立校として甲子園で勝つ難しさを思い知らされる結果となった。
その後、都立校の甲子園出場はないが、小山台は2018年から夏の東東京大会で2年連続準優勝するなど、あと一歩のところまで迫っている。2020年の東東京大会では、城東がシードされており、26日に桜修館と鷺宮の勝者と初戦を迎える。甲子園にはつながらないが、都立の快進撃が見られるか楽しみだ。
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