試合前にはHARTYらがド派手セレモニー
兵庫県西宮市の野球専門校「関メディベースボール学院」中等部の引退試合が3月2日、大阪・舞洲の大阪シティ信用金庫スタジアムで行われた。
奈良ボーイズを迎えて3年生最後の一戦。時折、小雪が舞う寒さの中、スタンドには選手の父兄や友人ら多数詰めかけ、試合前からセレモニーで盛り上がった。
まずは弾き語りデュオ「なもなき」と、ラップシンガー「神楽SCOPE」のミニライブ。寒さを吹き飛ばす熱唱で、関メディの選手だけでなくスタンドも巻き込んでヒートアップした。
なもなき,ⒸSPAIA
神楽SCOPE,ⒸSPAIA
その後、ウォーミングアップからキャッチボール、シートノックなど試合前の練習が終わると、グラウンドに登場したのは箕面自由学園中のチアリーダー。全国大会で優勝した国内トップクラスのパフォーマンスを披露して盛り上げに一役買った。
ⒸSPAIA
ド派手セレモニーはまだ終わらない。最後に登場したのが、日本ハム・新庄剛志監督公認応援歌「%1」を歌うシンガーソングライター「HARTY」。関メディ応援ソングも歌う元甲子園球児がシャウトすると、奈良ボーイズの選手も一緒にノリノリになり、球場全体がコンサート会場に様変わりした。
HARTY,ⒸSPAIA
才田凱斗が逆転満塁ランニングホームラン
一体、何のイベントだったか忘れそうになるほどのド派手なセレモニーだったが、午後6時前、無事にプレーボール。じゃんけんで勝って後攻を取った関メディの先発は、大阪桐蔭高に進む左腕・井上友吾。引退試合で3年生全員に出番を与えるため1イニングだけだったが、素質の片鱗を見せて無失点に抑えた。
井上友吾,ⒸSPAIA
しかし、2番手以降が2回に1点、3回に3点を失い、打線は奈良ボーイズの投手を打ちあぐねて得点できない。4回に3点を返したものの、5回に1点を失い、ペースをつかめないままズルズルとイニングを重ねた。
その後も京都国際高に進学する左腕・西田櫂吏らの力投で懸命のリレー。試合は2点ビハインドで終盤に突入する。
西田櫂吏,ⒸSPAIA
昨年3月のヤングリーグ春季大会、同7月のポニーリーグ全日本選手権、同12月の育成会ドリームカップで優勝した「関メディ最強世代」が最後の最後で敗れるのかと暗雲漂い始めた8回、奇跡のドラマが待っていた。
1点差に追い上げ、なおも満塁のチャンスで打席に立ったのは東海大相模に進学が決まっている才田凱斗。鋭いスイングで弾き返した打球は左中間のど真ん中を破り、走者一掃どころか、打った才田まで生還した。
「1球前のファウルで振り遅れていたので、バットを短く持って早めにタイミングを取りました」と振り返る劇的な逆転満塁ランニングホームランで、この回一挙5点を奪って試合をひっくり返した。
最終回は山梨学院高に進む藤田蒼海がショートからマウンドに上がり、見事なリリーフ。マウンド上にできた歓喜の輪が、3時間以上に及ぶ大熱戦、そして充実の中学生活に終わりを告げた。
藤田蒼海,ⒸSPAIA
井戸伸年総監督は「途中どうなるかと思いましたが、彼らは負けないんです。最後の逆転劇は、野球の理屈だけではなく、メンタルトレーニングで得た学びと経験が結果につながりました。彼らにとって最高の締めくくりになったと思います」とナインの勝負強さを絶賛。3年間のラストを飾るにふさわしい、寒い冬の熱い戦いだった。
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関メディベースボール学院中等部「最強世代」が引退試合で劇的勝利!
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