米フロリダ州に東京ドーム50個分の広大なキャンパス
アメリカ・フロリダ州で様々なスポーツを指導している中高一貫校「IMGアカデミー」のベースボールコーチ、ジョン・フォード・グリフィン氏が4月10日、兵庫県西宮市の野球専門校「関メディベースボール学院」中等部で指導した。
IMG(インターナショナル・マネージメント・グループ)はアスリートのマネージメントやスポーツイベントの企画運営、マーケティングなどを行う会社で、タイガー・ウッズ(ゴルフ)やマリア・シャラポワ(テニス)、錦織圭(テニス)らと契約を結ぶなど世界中のあらゆるスポーツ界にネットワークを持つ。
IMGアカデミーはフロリダ州に東京ドーム50個分の広大なキャンパスがあり、野球場9面、サッカーグラウンド16面、テニスコート60面など充実した設備を誇る。全校生徒は約1300人おり、日本人も56人が在籍。日本で中学2年まで過ごし、3年から編入するような生徒もいるという。元巨人の上原浩治の息子が通っている姿を日本のテレビ番組などで見た方もいるだろう。
同アカデミーでは夏休みに1週間程度の短期キャンプを開催しており、参加者を募集中。今回はそのプロモーションの一環でグリフィン氏が来日した。
関メディベースボール学院提供
ドラフト1巡目指名でヤンキース入りしたグリフィン氏
グリフィン氏はフロリダ州立大時代にアメリカの大学史上1位となる打率.427をマークし、2001年ドラフト1巡目指名でヤンキース入り。アスレチックス、ブルージェイズ、ドジャース、カブスなどで10年間、外野手としてプレーした。現役時代にソフトバンクからオファーを受けたこともあるという。
引退後は同アカデミーのコーチとして打撃指導を行っており、今回は日本に6日間滞在。9日にはベルーナドームで行われた関東ボーイズリーグ大会開会式後の野球教室で指導し、翌10日に関メディを訪れた。
3時間みっちり指導し、「下半身から上半身にどうやって力を伝えていけばいいか、腰の回し方を教えた。子供たちからはポジティブな反応が返ってきたよ」と笑顔を見せる。
関メディは3月下旬に行われたヤングリーグ春季大会で優勝するなど有望な中学生が揃っており、「練習環境や雰囲気が素晴らしくて感動したし、レベルも高くて驚いた。全員アメリカに連れて帰りたいね」と関心した様子だった。
関メディベースボール学院提供
今後は太平洋を股にかけた相互交流も
アメリカではひとつのスポーツだけでなく様々な競技に取り組む学生が多いが、日本では野球なら野球ひと筋の学生が多い。レベルが高くなればなるほどそうだろう。
グリフィン氏は「いろいろなスポーツをやることは大切だ。小さいうちは競争しすぎると精神的にいいと思わない。楽しみながら、いろいろチャレンジした方がいい」と力説する。
旧態依然の体質を打破し、生徒たちが野球を楽しむ環境作りに心血を注いでいる関メディの井戸伸年総監督は「子供たちも目を輝かせていました。野球の技術だけでなく、視野を広げる意味でも有意義でしたね。より野球を好きになってくれたと思います」とグリフィン氏の指導を満足そうに振り返る。
今後は関メディの選手がアメリカのIMGアカデミーを訪問して指導を受けたり、逆にIMGアカデミーの生徒が来日したり、相互交流を図りたいという。ボールさえあれば共通言語はいらない。日本のプロ野球選手によるメジャー挑戦も珍しくない時代。アマチュアレベルでも野球を通じたホットな交流は続いていく。
関メディベースボール学院提供
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