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東京五輪金メダル大本命の桃田賢斗、大坂なおみらに波乱が起きた理由

2021 8/1 11:00田村崇仁
バドミントン日本代表桃田賢斗,Ⓒゲッティイメージズ
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Ⓒゲッティイメージズ

「絶対王者」の堅守に穴、崩された勝ちパターン

あまりに短すぎる夏が終わった。東京五輪の日本選手団が歴史的な金メダルラッシュに沸く中、バドミントンの男子シングルス世界ランキング1位の桃田賢斗(26)=NTT東日本=は7月28日、まさかの1次リーグ敗退で姿を消した。

2016年リオデジャネイロ五輪直前に発覚した違法賭博行為による不祥事、2020年1月にマレーシアで巻き込まれた交通事故による大けが、右目の眼窩底骨折の手術―。どん底から這い上がり、ようやくたどり着いた舞台で、世界ランク38位の韓国選手に不覚を取った。

「絶対王者」に君臨してきた持ち前の堅守が崩された。第1ゲームは10-5とリードしたところで一気に暗転。コート後方へのロビングショットが低くなり、フォア側からの鋭いスマッシュを何本も打ち込まれた。

勝ちパターンが崩れていく。10連続失点で流れを完全に手放してゲームを落とすと、第2ゲームも11-8から6連続失点。19-19まで粘ったが、最後は得意のヘアピンショットがネットに掛かって負けが決まると、片膝を突き、うなだれた。「まだ五輪をやっていたかった」と涙があふれ出た。

コロナ禍で唯一の不安だった試合勘不足

2020年12月の全日本総合選手権で復帰して優勝を果たしたが、久々の国際大会となった今年3月の全英オープンは準々決勝で敗退。2019年には国際大会で史上最多の年間11勝を挙げたが、新型コロナウイルス禍で大会の中止や延期が相次ぎ、駆け引きで勝負する桃田にとって唯一の不安だった試合勘不足の影響も大きかった。

「大会の顔」も2カ月休養挟んだ試合勘

テニス女子シングルス3回戦では、五輪の開会式で聖火リレー最終走者を務めた大坂なおみ(日清食品)がマルケタ・ボンドロウソバ(チェコ)に1-6、4-6のストレートで敗れる波乱が起きた。米メディアは「有明で大波乱」と一斉に速報した。

大坂は5月の全仏オープンで精神的負担を理由に記者会見を拒否し、大会を途中棄権。「うつ」症状を告白し、ウィンブルドン選手権も出場しなかった。22歳のボンドロウソバは世界ランキング42位と高くないが、2年前の全仏オープンで準優勝したテニス大国チェコのホープ。プロがしのぎを削る世界で約2カ月間の休養を挟んだブランクもあり、試合勘の差が出た形だ。

センターコートの屋根が閉じ、これまでの蒸し暑さから一転したのも誤算といえば誤算だった。涼しい顔で打ってくる左利きの長いリーチのフォアで苦しめられ、底力を秘めた無欲の挑戦者をはね返せるほど万全な状態に戻っていなかった。

体操男子の内村航平は鉄棒でまさかの落下

競泳の男子400メートル個人メドレーでは大本命の瀬戸大也(TEAM DAIYA)がまさかの予選敗退。体操男子の種目別鉄棒に専念したベテラン内村航平(32)=ジョイカル=は予選で落下し、決勝進出の8位までに入れなかった。4度目の五輪は、あっけない幕切れとなった。

4年に一度の舞台がコロナ禍で1年延期となり、ピタリとコンディション調整を合わせる難しさが改めて浮き彫りになった。

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