シューズを置くパフォーマンスが話題に
日本時間8月7日、パリオリンピックの男子グレコローマン130キロ級で前人未到の大記録が誕生した。
キューバのレジェンド、ミハイン・ロペス ヌニェスがチリのヤスマニ・アコスタに6-0で完勝。2008年の北京大会以来、5大会連続となる金メダル獲得を達成した。
41歳のロペス ヌニェスは2004年のアテネで五輪初出場を果たし、その時はメダルには手が届かず5位。それでも続く北京で頂点に立つと、前回の東京で4連覇を達成。その後、いったん現役を引退していたが、競技復帰を決断してパリに参戦。ブランクを心配する声もあったが、絶対王者としての力を示した。
オリンピックの個人競技で同一種目の5連覇は史上初。そんな大偉業もさることながら、日本で話題を集めたのは“試合後のとあるひと幕”だった。
戦いを終えたロペス ヌニェスはマットの中央で履いていたシューズを脱ぐと、感謝を伝えるように頭上に掲げた後、マットの上にそっとシューズを置いた。レスリング界では現役引退の意思を示すパフォーマンスとしてお馴染みだが、このシーンが日本では「山口百恵みたい」と大きな話題を呼んだ。
1980年、日本武道館で行われた最後のコンサートでステージ中央にマイクを置き、芸能界を引退した伝説の歌手を彷彿とさせるような美しい引き際。日本人が出場していない階級ではあったが、その記録の偉大さと日本人の琴線に触れるパフォーマンスに熱い視線が注がれた。