石川真佑は「素晴らしいキャプテンになってくれた」
バレーボールの2025女子世界選手権でベスト4入りした女子日本代表のフェルハト・アクバシュ監督(39)が10日、オンラインのシーズン総括記者会見に出席した。
7月のネーションズリーグは準々決勝でポーランドに敗れたが、世界選手権では準決勝に進出。トルコに敗れて臨んだ3位決定戦で世界ランキング2位のブラジルとフルセットの激闘を演じ、2度のマッチポイントを奪いながら敗れ、惜しくも15年ぶりのメダルを逃した。
アクバシュ監督は「表彰台に立てるチャンスはあったが、準決勝でマッチポイントを取れたし、素晴らしい結果だった。すごく満足とは言えないが、明るい将来が見えた」と総括。就任1年目で結果を残し、手応えをにじませた。
主将としてチームを引っ張った石川真佑について「私が日本に来て最初の決定がキャプテンを選んだこと。素晴らしいキャプテンになってくれた」と高く評価。ブラジル戦で34得点を挙げた佐藤淑乃については「古賀紗理那が引退してポジションを埋める選手を見つける必要があったが、佐藤が古賀の後を引き継いでくれた。チームは彼女を必要としている」と絶賛した。
課題はブロックと控え選手の底上げ
2026年はネーションズリーグやアジア選手権が予定されており、2028年ロサンゼルスオリンピック出場権獲得のために勝負の1年となる。会見に同席した安保澄技術委員会副委員長は今後の構想について説明した。
「SVリーグは外国人選手の出場枠が増えて事実上、日本人選手の出場枠が減るので、高卒の有望選手などがすぐに試合経験を積めない可能性が出てくる。有望選手を埋もれさせないように国際試合の機会を作れないかと考えている。国際大会でメダルのかかった、ヒリヒリするような場面の経験が必要だと考えている」
さらに具体的な強化ポイントについては「今大会、アタックで取った得点は日本がブラジルより50点も多い。現代女子バレーはラリーが続かないのが潮流だが、日本は長いラリーに持ち込んで最終的に取ることができるのが強み」とした上で、「弱みはブロックだと思う。ただ、日本選手のスキルが低いのではなく仕方ない部分もある。チーム全体で相手の攻撃者を絞っていく戦術、システムが重要になる」と話した。
アクバシュ監督も「サポート選手の層が厚くないので見つける必要がある。SVリーグ、アンダーカテゴリー、春高バレーなどを通じて見つけていきたい。オリンピックに向けて層を厚くしながら準備を整えていく」と全体的な底上げを課題に掲げた。
ブラジル戦の息詰まる熱戦でバレーボールの魅力を再発見したファンも多い。ロサンゼルスオリンピックでメダルを獲得するために、まだまだ果てしない戦いが続く。
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