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相撲の決まり手の「ひねり手」珍技を解説

2020 1/12 06:00SPAIA編集部
イメージ画像ⒸIvan Roth/Shutterstock.com
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ⒸIvan Roth/Shutterstock.com

ひねり手の珍技

相撲の決まり手は82手ある。今回はそのうち、突き落としや上手ひねりなどの「ひねり手」の中から珍しい決まり手や分かりにくい決まり手について解説する。

突き落とし

四つに組んだ状態から片手を抜き、体を開きながら相手の脇腹や肩を斜め下に押さえ付ける。貴景勝が得意にしており、押し出しに次いで多く使っている決まり手。

巻き落とし

差し手でまわしを取らずに相手の体を抱え、巻き込むようにひねって横に倒す。2001年夏場所で武双山が貴乃花に巻き落としで勝ち、貴乃花は右膝半月板を損傷。翌場所から7場所連続全休となった。

とったり

相手の腕を両手で下から抱え、体を開いて手前にひねりながら倒す。「かいなひねり」と体を開く向きが逆。元大関旭國の得意技だった。

逆とったり(さかとったり)

とったりをかけられた際、つかまれた腕を抜くように腰をひねって相手を倒す。とったりの返し技。滅多に見られないが、2010年秋場所で魁皇が逆とったりで日馬富士を下した。

肩透かし

差し手で相手の腕の付け根を抱えるか、脇にひっかけるようにして前に引き、体を大きく開きながら、もう一方の手で相手の肩などを押さえ付けるようにして倒す。豊ノ島が得意としており、決まり手の中では寄り切りの次に多く使っている。

外無双(そとむそう)

差し手を引き抜き、相手の反対側の膝を外側に払いながら、相手の差し手を抱えてひねるようにして倒す。昭和40年代に活躍した元小結二子岳が得意だった。

内無双(うちむそう)

相手の内ももを手ですくい上げ、体をひねって相手を肩口から横転させる。「技のデパート」の異名があった元小結舞の海の得意技。

頭捻り(ずぶねり)

相手の胸に頭をつけた体勢から相手の差し手を抱え込んで、頭を軸にして体をひねりながら倒す。1998年大阪場所で旭豊が寺尾に決めたことがある。

上手ひねり

相手の上手まわしを取り、上手で相手をひねって倒す。「上手投げ」と力の向きが逆になる。下手でひねって倒せば「下手ひねり」。遠藤が得意としている。

網打ち(あみうち)

相手の差し手を両手で抱えて体を開きながら腕の付け根あたりを引くように後方へひねり倒す。漁師が網を投げ打つ格好に似ていることが由来。2018年九州場所で安美錦が大奄美に決め、自身44手目の決まり手となった。

鯖折り(さばおり)

相手の両まわしを両手で強く引き付けながら、相手にのしかかるように押さえ付けて膝をつかせる。1986年夏場所で北尾(後の横綱双羽黒)が小錦に決め、膝を痛めた小錦は翌日から休場となった。

波離間投げ(はりまなげ)

相手の頭や肩越しに上手を取り、取った腕の後方に振り回すように投げる。1977年秋場所で若三杉(後の横綱若乃花)が鷲羽山に土俵際で決めた一番は語り草だ。

大逆手(おおさかて)

相手の肩越しに上手を取り、つかんだ腕の方向に投げる。2010年初場所で、怪力で知られる把瑠都が垣添に決めた。

腕捻り(かいなひねり)

相手の腕を両手で抱え、足を引きながら体を開いて取った腕を外側にひねり倒す。「とったり」と体を開く向きが逆。炎鵬が得意にしている。

合掌捻り(がっしょうひねり)

相手の背中に回した両手を組み、挟み付けた上体をひねるように倒す。相手の背中で合掌する形になることが由来。1987年秋場所で琴富士が南海龍に決めたことがある。

徳利投げ(とっくりなげ)

相手の首、頭を両手で挟んでひねり倒す。首や頭を徳利の首に見立てたことが由来。2018年秋場所で安美錦が同場所で2度の徳利投げを決めて話題になった。

首捻り(くびひねり)

相手の首を抱え、もう一方の腕で差し手を抱えてひねり倒す。起死回生の逆転技。2017年初場所で宇良が青狼に決めた。

小手捻り(こてひねり)

相手の腕を抱えながら、抱えた方にひねって倒す。以前は「かいなひねり」とされていたが、2001年から独立した決まり手として追加された。「小手ひねり」では上手か下手を取るが「かいなひねり」では取らない。2017年春場所で稀勢の里が松鳳山を小手ひねりで下した。


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