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スピード相撲で幕内定着を狙う・石浦関を解説

2017 3/22 18:28kinsky
相撲,ⒸShutterstock.com
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Photo by J. Henning Buchholz / Shutterstock.com

大相撲幕内力士の石浦関は十両以上の力士を示す関取の中で最も軽量だ。それでも努力の結果幕内に昇進し、スピード相撲で大活躍をしている。白鵬関の愛弟子としても知られる石浦関について取り口の特徴などを解説する。

父親が高校相撲部の指導者という関係で、幼年期から相撲に親しむ

大相撲幕内力士の石浦関は鳥取県鳥取市出身で、現在27歳だ。父親が鳥取城北高校の相撲部監督だったという関係で幼年期から相撲に親しんでいた。小学校では相撲以外でも持ち前の運動神経を生かして野球や水泳などのスポーツに取り組んでいた。
しかし、中学進学前に相撲に絞り、相撲強豪校の鳥取市立西中学校に進み、卒業後は父親が監督を務める鳥取城北高校に入った。現在同じ宮城野部屋に所属している山口関や貴の岩関とともに同校相撲部で活躍した。

大学卒業後はオーストラリアに留学し、格闘家への道を探る

石浦関は高校時代団体戦レギュラーとして優勝に貢献し、個人では全日本ジュニアの軽量級で2連覇を達成し、3年生の時には世界ジュニア選手権で優勝を飾った。高校を卒業すると日本大学に進むが、同学年には後の山口関がおり、1年遅れて遠藤関が入部してくる。
大学時代の石浦関は、個人で大きなタイトルも無かったため、卒業後プロになる意思はなかった。格闘家への道を探りながら語学留学も兼ねてオーストラリアで生活していたが、同級生の山口関がプロ入りしたことを知り触発された。

入門後はスロー出世で、十両を10場所経験後に入幕

宮城野部屋に入門した石浦関は、2013年1月場所で初土俵を踏む。後輩の遠藤関は幕下付け出しでスタートしていたが、石浦関は序の口からの初土俵だった。
石浦関は小兵ながら持ち前のスピード相撲で快進撃を続け、約2年後の2015年3月場所に新十両に昇進した。横綱琴櫻関以来、53年ぶりの鳥取県出身関取誕生が地元で話題になった。十両では小さな身体を駆使しての足技や跳び技などを繰り出し健闘するが、8勝7敗や7勝8敗という成績が多10場所も十両に留まった上で、2016年11月場所にようやく新入幕した。

新入幕で何と10連勝、優勝争いにも絡む大活躍

石浦関は日本相撲協会が発表している力士プロフィールによれば、身長173センチ体重114キロとなっている。軽量なので大型力士が多い幕内で通用するのか疑問視する向きが多い中で、新入幕の初日こそ黒星だったが2日目から10連勝と予想を覆す大健闘で、後半まで優勝争いを演じた。
後半は上位との対戦が組まれたため最終的には10勝止まりだったが、見事敢闘賞を獲得した。続く2017年1月場所では中日まで2勝6敗と苦しむが、その後巻き返し6勝9敗で留めた。

横綱・白鵬との強い絆で、将来は白鵬部屋の看板関取に

石浦関は宮城野部屋所属だが、同部屋に所属している横綱・白鵬関の内弟子として入門している。白鵬関と石浦関が出会ったのは高校3年生の時で、素質を見抜いていた白鵬関がスカウトした形で入門した。白鵬関の土俵入りでは露払いの大役を務めたことがあるなど、横綱から目をかけられている。
白鵬関は引退後白鵬部屋として独立することがほぼ決まっている。石浦関が白鵬部屋の看板関取として活躍する日が近いかも知れない。

まとめ

幕内最軽量の石浦関は、2017年1月場所で幕内2場所目を経験した。1月場所では6勝9敗で初の負け越しとなったが、相手の懐に素早く飛び込み投げ技や足技で大型力士を倒すスピード相撲は魅力たっぷりだ。