北東北リーグ10連覇含む33度の優勝
パ・リーグで2年連続本塁打王に輝いた西武・山川穂高。豪快な打撃と親しまれるキャラクターで人気スターとなったが、アマチュア時代は決してエリート街道ではなかった。沖縄・中部商では甲子園に出場できず、卒業後は北東北リーグの富士大学へ進学。雪国の厳しい環境下で取り組んだ地道なトレーニングのおかげで、2013年ドラフトで西武から2位指名された。
富士大学は山川らの活躍で名が知れてきたが、全国的にはそれほど有名ではない。名前からすると静岡か山梨あたりを連想するかも知れないが、所在地は岩手県花巻市。1965年に奥州大学として開学し、同年に野球部も創部されている。他にも体育会系の部活動は盛んで、全国大会出場実績のある運動部は多い。
野球部が所属する北東北大学野球連盟では、2014年春季リーグから10連覇を含む33度の優勝を誇る。全日本大学野球選手権でも準優勝が1度あり、明治神宮大会ではベスト4進出の実績を持つ。
西武・外崎修汰、多和田真三郎らも輩出
山川以外にもプロ野球界に進んだOBは少なくない。2019年に中継ぎとして活躍した広島・中村恭平、山川の同僚で2019年は26本塁打を放った西武・外崎修汰、同じく西武で2018年の最多勝右腕・多和田真三郎、キレのいいストレートを武器に2018年に7勝を挙げた阪神・小野泰己、ルーキーイヤーの2019年から52試合に出場した西武・佐藤龍世、2018年ドラフト8位で楽天に入団した鈴木翔天らがいる。
東北と言えば、仙台六大学リーグの東北福祉大が有名だが、北東北リーグもロッテでプロ19年目を迎えた細川亨の母校・青森大、メジャーリーガー・秋山翔吾や2018年ドラフト1位で巨人に入団した高橋優貴らを輩出した八戸学院大も所属しており、決してレベルは低くない。
山川自身は大学1年の春季リーグ戦から4番を務め、同年秋に打点王。2年生時に日米大学選手権の日本代表、3年生時にアジア野球選手権の日本代表、4年生時に東アジア競技大会の日本代表に選ばれるなど、北東北の枠を超えて活躍した。
大学時代はリーグ戦通算11本塁打、55打点。ドラフト2位で西武入りしてからの活躍は説明の必要もないだろう。今後も富士大出身の選手がプロ野球界で活躍することに期待したい。
2020年プロ野球・埼玉西武ライオンズ記事まとめ