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第50回全日本大学駅伝③  3強を追うシード校

2018 10/28 07:00鰐淵恭市
ランナー
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3強を追う注目のシード校

11月4日開催の第50回全日本大学駅伝。史上初の2度目の学生駅伝で三冠を狙う青山学院を筆頭に、東洋大、東海大の3強が優勝候補と言われる。その優勝候補を追うチームを紹介する。

復活なるか、平成の王者・駒澤大

「3強」を追う一番手は、昨年4位でシード権を獲得した駒澤大だ。

平成に入って出雲で3度、箱根で6度、全日本では12度の優勝。大学駅伝界を引っ張った「平成の王者」も近年は青山学院大、東洋大の後塵を拝するレースが続いている。全日本では過去3年優勝がないが、この空白期間は第30回大会での初優勝以来、最長となる。

今年は、かつてのメンバーである村山謙太(現・旭化成)のようなエースは不在だ。ただ、昨年のユニバーシアードのハーフマラソンで金メダルを獲得した片西景(4年)は健在。ほかにも5000メートルで14分を切るタイムを持つ下史典(4年)、物江雄利(4年)、山下一貴(3年)など、しっかりと走れる選手はそろっている。事実、10月に行われた箱根の予選会はトップで通過した。

チームを率いるのは駒澤大を強豪に育てた大八木弘明監督。ヘッドコーチには、チームの礎を築いた藤田敦史がいる。全日本においては過去に4連覇1度、3連覇1度を果たしており、今年もその相性の良さを見せることができるか。

昨年優勝の神奈川大はシード権確保へ

昨年、20年ぶりに全日本を制した神奈川大は、エースで優勝の立役者だった鈴木健吾をはじめ、主力級の選手が多数卒業した。それでも、箱根の予選会では3位で通過。神奈川大を率いて29年目となる大後栄治監督のもと、チームとしての底力がついてきている証拠である。

昨年の全日本の1区で4位と好スタートを切った山藤篤史(4年)、5区区間賞の越川堅太(3年)、荻野太成(3年)、安田共貴(3年)の4人が、昨年の優勝メンバーで残っている。このほか、昨年は駅伝に出場していなかった多和田涼介(4年)も主力級に成長した。今年の全日本は6位以内に与えられるシード権を確保するのが現実的な目標だろう。

安定感の中央学院大

昨年の全日本で6位に入ってシード権を得た中央学院大は、大崩れしないのが特長だ。

過去2シーズンの学生三大駅伝は全て4~10位の成績を残している。昨季は出雲8位、全日本6位、箱根10位で、今年の出雲でも6位に入った。いまだ三大駅伝での優勝はないものの、ここ10年で上位の常連校へと成長した。どの駅伝でも侮れない存在である。

今年は高橋翔也(2年)が1万メートルで自己ベストの28分54秒68をマーク。ほかにも1万メートル28分台の記録を持つ高砂大地(3年)、川村悠登(3年)、横川巧(3年)らがおり、若い力の奮起次第では上位を狙える。

指揮官は川崎勇二監督。1992年に就任後、無名選手を育ててきている。その手腕が今年の全日本でも発揮されるか。

ルーキーの活躍がカギを握る早大

出雲で2度、箱根で13度、全日本で5度の優勝を誇る名門・早稲田大。昨年の全日本は7位でシード権を逃したものの、箱根で3位になったことで今年の全日本は関東学連の推薦枠で出場することになった。予選会を免除されたことは本大会に向けて大きい。

えんじのユニホームに、Wの文字がトレードマークの早稲田大は2010年度に学生駅伝三冠を達成したものの、近年はなかなか頂点に立つことができてていない。そんな名門の浮沈のカギを握るのは新入生たちの力だ。

今年はゴールデンルーキーとも呼べる1年生たちが加入した。1500メートルで高校歴代2位・3分44秒57の記録を持つ半澤黎斗、5000メートルで高校歴代5位・13分47秒22を持つ中谷雄飛、この2人とともにアジアクロスカントリー日本代表として出場した千明龍之佑だ。中谷はU20世界選手権に出場し、5000メートルで17位。千明は日本インカレの5000メートルで6位入賞と、早くもトラックでは結果を残している。

学生三大駅伝の開幕戦となった今年の出雲には、この3人のうち半澤と中谷が出場。さらに、エース格の太田智樹(3年)を兄に持つ太田直希(1年)も出雲を経験した。半澤は1区19位と苦しい走りだったが、中谷は3区で区間4位、太田直希は5区で区間7位と上々のデビューを果たした。

あとは1年生の活躍に、世羅高時代に高校駅伝で活躍した新迫志希(3年)ら上級生が刺激を受けるかだ。上位をキープする力は十分にある。(続く)

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