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ワールド・スーパーリーグにUEFA会長反対、欧州の地位低下懸念か サッカー世界統一リーグ構想②

2020 2/12 11:00Takuya Nagata
UEFAのアレクサンデル・チェフェリン会長Ⓒゲッティイメージズ
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欧州チャンピオンズリーグの人気が奪われる?

レアル・マドリーのフロレンティーノ・ペレス会長が国際サッカー連盟(FIFA)のジャンニ・インファンティーノ会長に提言している、世界統一リーグ「ワールド・スーパーリーグ」構想に対して、欧州のサッカー関係者からは反対の声が次々に上がっている。

この計画を進めるのであれば、今後も欧州勢から激しい抵抗にあうのは必至だろう。世界統一リーグが創設されれば、現在世界最高峰のクラブ大会である欧州チャンピオンズリーグや欧州5大リーグといった国内リーグは一気に価値が低下する恐れがある。

これは欧州サッカー連盟(UEFA)の収益構造にも大きな打撃を与える可能性がある。

極少数の人間の利益のために、サッカーが台無し?

UEFAのアレクサンデル・チェフェリン会長は即座に、ワールド・スーパーリーグ構想に反対の立場を表明している。

「サッカーを台無しにするもので、正気の沙汰ではない。この話が事実だとすれば、それは特定のクラブの会長と特定の統括団体関係者の間のことであり、この上なく身勝手で利己的なもの。間違いなく世界中で、サッカーが後退する。選手、ファン、競技に関わるあらゆる人々が、極少数の人間の利益のために、犠牲になる」

最高峰の国内リーグ、イングランド・プレミアリーグにはメリットなし

イングランド・プレミアリーグのマンチェスター・ユナイテッドで27年間、監督を努めたアレックス・ファーガソン氏(78歳)は、ワールド・スーパーリーグ構想について「金銭目的だということは間違いない。しかし、これは現時点で世界最高の国内リーグであり、経済的に十分な支援のあるプレミアリーグのクラブにとっては、魅力的なものではないでしょう」と語る。

ユヴェントス会長を兼任する欧州クラブ協会(ECA)のアンドレア・アニェッリ会長は当初、欧州ビッグクラブが国内リーグから分離し、欧州スーパーリーグを創設することを提案したが、欧州内で反発を受け、国内リーグを尊重する、もう少し穏健な改革案を提出していた。

しかし、レアル・マドリーのフロレンティーノ・ペレス会長がリードし新設された「世界サッカークラブ協会」(WFCA)は、国内リーグから分離する統一リーグを世界規模で行うという、更に急進的な「ワールド・スーパーリーグ」構想を抱いている。

共にクラブの集まりである欧州のECAと世界のWFCA、これらがどのような折り合いをつけるか今の所は未知数だが、おそらく多くの欧州クラブが、両方に加盟することになるだろう。

世界と欧州が綱引き

改編の根本的な原動力は経済的なもので、ビッグクラブは、エリートレベルの大会により、視聴者が増え、スポンサーの関心が高まり、収益を増やすことが出来ると考えている。一方で、現在成功している既存の大会を運営する側は、ドラスティックな変化を拒んでいるという構図だ。

FIFAがワールド・スーパーリーグを承認すれば、現在UEFAが掌握するクラブサッカーの支配が、FIFA側に大きくシフトすることになるだろう。

UEFA会長は、FIFA副会長も兼任する。ここにきて、FIFAとUEFA、これら2つの有力な統括団体が、サッカー界をコントロールするパワーをめぐり、綱引きをしているようだ。


地球規模で通年リーグ開催は出来るのか サッカー世界統一リーグ構想③

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