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久保建英だけじゃない!欧州サッカーを賑わす10代プレイヤーたち

2019 10/18 06:00桜井恒ニ
人気も急上昇中のジョアン・フェリックスⒸゲッティイメージズ
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Ⓒゲッティイメージズ

フェリックス、サンチョ…名門で活躍する10代

本格的に始まった欧州サッカーの2019ー2020シーズン。今季は若手が面白い。

日本で知名度抜群の久保建英(マジョルカ)など、次世代を担う華のある10代選手たちが、同時多発的に目覚ましい活躍を見せている。今回はそんな若手の注目株を紹介する。

今季最も動向が注目されているのが、19歳FWのジョアン・フェリックス(ポルトガル/アトレティコ)だ。推定1億2600万ユーロ(約158億円)の7年契約でアトレティコに移籍したフェリックスは、プレシーズンで鮮やかなボレーシュートなどを含め4ゴール3アシストを記録。甘いマスクも人気の理由の一つだ。

ただし、ラ・リーガでは8試合に出場して2得点1アシスト(10月12日現在、以下同)。プレシーズンに比べると、ややインパクトに欠ける状況だ。

課題の一つはフィジカル。リーガの8試合中7試合で途中交代させられており、1試合の平均出場時間が約72分となっている。シメオネ監督の守備戦術にフィットしつつ、90分間パフォーマンスを維持できるようになれば、得点の増加が見込めるだろう。

もう一人の逸材は、フェリックスと同じ19歳のMFジェイドン・サンチョ(イギリス/ドルトムント)だ。昨季は43試合に出場。UEFAチャンピオンズリーグなどを含め、13得点19アシストをマークした。そのうち、独ブンデスリーガで記録した14アシストは、リーグトップの記録だ。またドリブルの成功数は100以上をマークしている。今季もすでに4得点7アシストをマークしており、アタッカーとして完成度が高い。

独メディア「sport.de」は、来夏のレアル・マドリード入りの可能性を報じている。またスイスのサッカー専門調査機関「CIES Football Observatory」は、「欧州5大リーグにおける20歳以下の選手の移籍価値ランキング」でサンチョを首位に挙げ、2位の倍額以上となる約1億5000万ユーロ(約188億円)と値踏みしている。

16歳でトップデビューしたファティ

今季は、フェリックスたち以外にも若手注目株が多数登場した。

そのうちの一人が、16歳のFWアンス・ファティ(スペイン/バルセロナ)。バルサの歴史上2番目の若さ(16歳298日)でトップデビューを果たした。ファティはバルサ仕込みのパスワークに加え、非凡な決定力を備える。左右のウイングでプレイも可能だ。9月14日のバレンシア戦で1得点1アシストとアピールに成功し、メッシらが復帰した後もトップチームに帯同する。

ファティとバルサのカンテラでチームメイトだった日本の宝・久保も熱視線を浴びている。ボールコントロールや状況判断に長け、レアルの北米ツアーなどで存在感を見せた。

ただし、レンタル移籍先のマジョルカで壁にぶつかっている。第8節のエスパニョール戦では、57分から途中出場したにもかかわらず、被ファール数はチーム最多の4つ。他の試合でも激しいチャージを受けるシーンが目立つ。“ファールでしか止められない選手”の証ではあるが、敵の激しいプレッシャーやチームメイトとの連携不足で、1アシストと数字が物足りないのも事実。レアルに帰還するには、厳しい状況下で結果が求められる。

他にも、チャンピオンズリーグやリーグなどで18得点を記録する19歳FWアーリング・ハーランド(ノルウェー/ザルツブルグ)、初出場1分でゴールを決めた18歳FWロドリゴ・ゴエス(レアル/ブラジル)などスター候補がひしめいている。

カマビンガ、デンベレ、ムココら超若手も台頭

久保たちの下の世代も騒がしい。スコットランド1部でデビューした16歳の天才MFカラモコ・デンベレ(イギリス/セルティック)や、下部リーグで得点を量産する14歳の大器ユスファ・ムココ(ドイツ/ドルトムント)が脚光を浴びている。

今季、一躍脚光を浴びたエドゥアルド・カマビンガ(フランス/レンヌ)という16歳の新星ボランチもいる。仏リーグ・アンの第2節、パリ・サンジェルマン戦で輝きを放ち、2-1の勝利に貢献。絶対王者を相手に、絶妙な浮き玉のパスで決勝点をアシストした。

仏メディア「Foot Mercato」の調べでは、カマビンガは41本中40本のパスを通し、パス成功率は97.6%に達したという。この出色の出来が評価され、8月のリーグアン月間最優秀選手にも選ばれた。このパフォーマンスが続けば、遅かれ早かれビッグクラブに引き抜かれるだろう。

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