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プレミアリーグで過小評価されている選手達

2018 5/3 15:00dai06
セサル・アスピリクエタ
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Ⓒゲッティイメージズ

縁の下のエキスパート

サッカー選手のなかには前線で鮮やかなゴールを決めることよりも、味方に絶妙なパスを出したり、後ろで守備に徹したりと、地味な仕事をこなすことに精を出す選手もいる。彼らは目立つ存在ではなく表立って評価されないが、極めて重要な存在だ。今回はそんな選出達をプレミアリーグから紹介しよう。

コンバート成功!チェルシーのDFアスピリクエタ

チェルシーFCに所属するセサル・アスピリクエタは、元々SBとしてプレーする選手だった。現代のSBに求められるスピード型のSBではなかったが、豊富な運動量と器用なクロスを買われチェルシーでは定位置を築いている。

そんなアスピリクエタも、アントニオ・コンテが監督になってからはそのスタイルを変えざるを得なくなった。コンテの用いる3バックシステムにおいては、右サイドのアスピリクエタのポジションにはヴィクター・モーゼスが入るようになった。しかし、アスピリクエタはそのまま黙っているような選手ではない。

コンテの指示の下SBからCBへコンバートされてからは、相手の動きを先読みするプレスを徹底するようになった。それでいて元来の精度の高いクロスは健在で、彼の攻撃参加は1つのアクセントであるため、相手にとっては驚異となる。2017-18シーズンに33試合出場時点で6アシストを記録、同胞でもあるアルバロ・モラタとの攻撃はチェルシーのホットラインだ。

チェルシーではガリー・ケーヒルがキャプテンの位置づけにあるが、副キャプテンのアスピリクエタの方を真のキャプテンと推す声も多い。名実ともに名を高めたアスピリクエタはもっと評価されるべきだろう。

ゲームを作る!リヴァプールのFWロベルト・フィルミーノ

2017-18シーズンのリヴァプールFCでは、モハメド・サラーが目覚ましい成長を遂げ、一躍ヒーローとなった。圧倒的なスピード、相手ディフェンス陣を容易くかわすドリブル、落ち着いたシュート、そのどれもが高水準でメッシやロナウドの境地に達しつつあると言っても過言ではないだろう。

しかし、そんなヒーローを支えているのがロベルト・フィルミーノだ。リーグ34試合出場時点のフィルミーノは、15ゴール7アシストを記録。チーム最多の得点数を誇るサラーの31ゴールの半分のゴール数だが、2桁得点を挙げているという事実だけで十分過ぎる出来だ。

さらに7アシストというサポート力も評価に値する。プレーを見ていても自分で得点を狙うことに固執し過ぎず、味方を活かそうとする姿勢が伺える選手だ。同シーズンでサラーの活躍の裏にはフィルミーノの献身的な働きがあることを忘れてはいけない。リヴァプールのボールがよく回っている時、サラーに決定的なボールが渡った時、その前後にはフィルミーノの活躍がある。

チームのエンジン!アーセナルのMFアーロン・ラムジー

アーセナルFCでプレーするアーロン・ラムジーはこれといった特徴がない選手だと思われているが、それが彼の良さでもある。彼は2008年夏にアーセナルにやってきたが、それ以来黒子に徹するプレースタイルを貫いている。攻撃にも守備にもよく走る献身的な選手だ。

中盤であればどの位置でもプレーできるラムジーは、負傷者によってできる穴もしっかりと埋めてみせる。2017-18シーズンはポジション争いの激化と負傷もあり、出場する試合数が伸び悩んでいるものの、リーグ21試合出場時点で7ゴール7アシストは素晴らしい数字だ。

ラムジーのユーティリティ性の高さはアーセナルに欠かすことのできないもので、10シーズンという長期に渡って在籍できていることがその信頼度の高さをうかがわせる。

カンテの後継者!レスターのMFウィルフレッド・エンディディ

レスター・シティFCが奇跡の優勝を成し遂げた時、そこには1人で2人分の働きをすると言われたエンゴロ・カンテの活躍があった。そのカンテはすでにレスターにいないが、その後継者と呼ぶべき選手はいる。それがウィルフレッド・エンディディだ。

当たり負けしないフィジカルの強さはもちろんのこと、カンテと同じくボールを前に運ぶ推進力も素晴らしい選手だ。1996年生まれとまだ若いこともあり、これからさらなる成長を遂げることにも期待できる。

相手を自陣に引き込み、ボールを奪った瞬間にカウンター攻撃を開始するレスター、その起点となるのがエンディディでありゲームを組み立てる司令塔といえる選手だ。レスターの試合を観る時は、日本の岡崎慎司だけでなくこの若いナイジェリア人選手にも注目していただきたい。