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リーガ・エスパニョーラで過小評価されている選手達

2018 5/4 09:00dai06
ナチョ・フェルナンデス
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Ⓒゲッティイメージズ

華麗なプレーを支える仕事人

美しく観客を楽しませるサッカーを掲げるクラブが多いリーガ・エスパニョーラ。魅力ある試合を演出するためには、ゴールを決めることはもちろん、裏方の仕事に徹する実直な選手の存在も欠かすことができない。目立ちにくい彼らは過小評価されがちだが、今回は彼らの知られざる魅力を紹介しよう。

器用で丈夫!レアル・マドリードのDFナチョ・フェルナンデス

レアル・マドリードCFの守備陣では、セルヒオ・ラモスやラファエル・ヴァラン、マルセロといった選手達の活躍が評価されることが多く、彼らはマドリーの主力として確固たる地位を築いている。

しかし、その裏でナチョ・フェルナンデスという選手の存在を忘れてはいけない。彼は180cmとCBでは小柄でありながら、SBとしてもプレーできる優れたユーティリティ性、卓越したボールの保持力を誇る選手だ。主力選手らに出場機会を阻まれることが常だが、彼らがいない時にもナチョであれば問題なく穴を埋めることができる。ナチョはプロデビュー以来、負傷離脱をしたことがない丈夫な選手だったが、3月末の試合で初めて負傷してしまった。

ユース時代からマドリーに所属する生え抜きの選手ということで、サポーターからも愛される存在でもあり、監督のファーストチョイスではなくとも、マドリーに欠かせない選手といえる。

ビルバオのMFラウール・ガルシア

アスレティック・ビルバオに所属するラウール・ガルシアは、中盤でリズムを作ることができる選手だ。

スペイン代表ではアンドレス・イニエスタらの陰になることが多く、定位置を築くことができていない。しかし、クラブレベルでは一線級で、途中出場も含めて毎シーズンのようにリーグ30試合近くに出場。得点に関与できなくとも彼がいる時といない時とではボールの回り方が違う。

スピードはないがボールを持たせた時の足元の安定感は抜群で、ボールを簡単にロストすることはない。しかも、足元の技術に長けるスペイン人MFで184cmという身長は稀有で、空中戦の強さにも期待できる点ではイニエスタとは違うタイプだ。
すでに30代を迎えた2017-18シーズンもリーグ30試合以上に出場しており、その実力に疑いの予知はない。リーガ・エスパニョーラのMFではぜひともチェックしておきたい選手だ。

波に乗れば無敵!バレンシアのFWシモーネ・ザザ

バレンシアCFのシモーネ・ザザは、波の乗った時の爆発力に期待できる選手だ。チームはスペイン人や南米出身の選手が多いものの、イタリア人であるザザはその環境に見事フィットしている。

2017-18シーズンには開幕から8試合を経た時点で7ゴールを記録。バイタルエリアからのミドルシュート、クロスに合わせたヘディングシュート、コースを突いたコントロールシュートなど得点シーンも豊富で素晴らしい働きを見せている。
ただ、その後は出場機会に恵まれず、得点を量産することができていない。その原因には同じ位置でプレーするロドリゴ・モレノの好調がある。

出場機会の少なさには彼自身も嘆いており、ゴールを挙げられないのもそれが原因だとしている。シュートパターンを数多く持つザザであればどんな局面・戦術でも投入できる。リーグ30試合出場時点で、約1900分のプレー時間では少々物足りない。彼の得点力に期待し、フル出場させる試合を増やすべきだ。

重要なリンクマン!セビージャのMFスティーヴン・エンゾンジ

セビージャFCに所属するスティーヴン・エンゾンジは、プレミアリーグのストーク・シティFCで才能を開花させた選手だ。セビージャには2015年夏から在籍しており、196cmという体格はリーガ・エスパニョーラの選手達の大きな壁となっている。

ボランチの位置に居座るようにプレーするエンゾンジだが、実はボールを左右に振ることにも長けており、リンクマンとしても才能を発揮させる選手だ。選ぶパスコース、スピードに狂いはなく、司令塔としても十分に機能する。

その大柄さを売りにしたディフェンスだけが取り沙汰されがちなエンゾンジ。彼のテクニックはピックアップされないことが多い。むしろ、彼がボールを持つことで攻撃スピードが遅くなってしまうように見えるくらいだ。しかし、その落ち着き払ったプレースタイルが、セビージャの前線の攻撃と躍進を支えてきた。彼のような選手を中盤に置いておくことで、チームは確実に引き締まるのだ。