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【約束された9年】サウール・ニゲスが振るうタクトは美しい

2017 8/25 10:07dada
SAUL Niguez
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古巣の前に立ちはだかった壁、サウール・ニゲス

アトレティコ・マドリード(以下、アトレティコ)とレアル・マドリードCF(マドリード)の一戦は「マドリード・ダービー」と呼ばれ、リーガ・エスパニョーラを代表するダービーマッチとして注目を集める。
バルセロナFC(以下、バルセロナ)とマドリードとの一戦はクラシコと呼ばれ、こちらの注目度もかなり高いのだが、マドリード・ダービーは如何せん同じ街のクラブがぶつかるため、街を二分してのお祭り騒ぎとなる。

2016年2月、マドリード・ダービーを前にアトレティコのMFサウール・ニゲス選手(以下、敬称略)は一つの苦い思い出を語った。
「マドリードで過ごしたあの年(11歳の頃)、僕は多くのことを学んだ。とても成長したんだ。難しいシーズンで、スポーツとは関係のないことが起こったんだ」。
サウールはかつて所属していたマドリードのユースでいじめを受けていたのだ。彼を苦しめた人物につては明言を避けたサウールだったが、自身を宿敵であるアトレティコに連れてきてくれたペペ・フェルナンデス氏には感謝の言葉を送っている。

そうして臨んだマドリード・ダービー。敵地サンティアゴ・ベルナベウで行われた一戦で、サウールは躍動し古巣マドリードの前に立ちはだかった。試合はアントワーヌ・グリーズマン選手(以下、敬称略)の得点で見事アトレティコが勝利した。
サウールはアトレティコの選手として健闘し、アトレティコの勝利のために全力を尽くしていることを、両クラブのサポーターに見せつけた。

中盤に欠かせない存在サウール!マルチなプレースタイルと役割

サウールはアトレティコの中盤に欠かせない存在となっている。

アトレティコはこれまでにも複数の優秀なストライカーを輩出してきた。グリーズマン、ジエゴ・コスタ選手、フェルナンド・トーレス選手(以下、敬称略)、セルヒオ・アグエロ選手、ラダメル・ファルカオ選手といった豪華な面々だ。彼らはいずれもアトレティコで花を咲かせ、世界最高峰の点取り屋となった。

だが、そんなストライカーたちにボールを供給するのは誰か。そう、サウールやコケ選手ら(以下、敬称略)中盤の選手である。
どれだけ突破力のあるアタッカーでも、強豪相手では独力で得点を生むことは難しい。中盤からゲームを地道に作り上げ、シュートで終わるという一連の流れを作り出す必要がある。

その流れを作り出すのがサウールだ。サウールはパスとドリブル双方に非凡な才能を見せる。スピードに優れるというわけではないが、相手の攻撃のコースを予測しパスを捌く。あるいは、相手のプレスを自分に引き付けた上でいなしてからパスを出すのが上手い。こうすることで前線の選手たちへのマークが緩み、攻撃を活性化させることができる。サウールの一挙手一投足は美し過ぎる。

アトレティコではサイドでのプレーも多いサウールは、豊富な運動量を活かして上下動を繰り返す。「チョリスモ」と呼ばれる、ディエゴ・シメオネ監督の苛烈なプレッシング戦術の下でも疲れを知らない。ゲームメイク、守備貢献、何でもこなせるマルチさがサウールの売りだ。しかも、マルチはマルチでも、その才能のすべてが及第点以上。大変素晴らしい選手だ。

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