マンUへ移籍した大物アタッカー3選手と比較
36歳という年齢でありながら、現在も世界最高峰のプレーヤーとして活躍を続けるレジェンド、クリスティアーノ・ロナウド(C.ロナウド)が、再び古巣のマンチェスター・ユナイテッド(マンU)へ帰還することになった。
一時期に比べると運動量は減ってはいるものの、ゴールエリア内での得点力はずば抜けている。また、これまでもプレミアリーグやラ・リーガ、セリエAと、移籍先全てのリーグで得点王となったアタッカーの帰還ということもあって、ファンからの期待も大きい。
そこで、1年目の合格ラインは何点であるかを考察するため、マンUのアタッカー3選手と比較してみる。※年齢は加入年の満年齢
・ズラタン・イブラヒモビッチ(35歳)
2016年6月に加入。1年目はプレミアリーグで28試合に出場し17得点を記録したものの、シーズン終盤に右膝前十字靭帯を損傷したため、翌2017-18シーズンは5試合出場で無得点という結果に終わった。
・ロメル・ルカク(24歳)
2017年7月に加入 。1年目はプレミアリーグで34試合に出場し16得点。また、UEFAチャンピオンズ・リーグでは8試合に出場し5得点を決め、ベスト16進出に貢献している。
・エディンソン・ロベルト・カバーニ・ゴメス(33歳)
2020年10月に加入。1年目のリーグ成績は26試合出場で10得点。そして、UEFAヨーロッパリーグでは5試合に出場し、6得点2アシストで準優勝に貢献している。背番号7をC.ロナウドに譲ったことでも話題を集めた。
合格ラインは35歳で移籍したズラタン・イブラヒモビッチの17得点が目安となり、C.ロナウドはそれ以上を求められるだろう。さらにプレミアリーグだけではなく、2008年以降達成できていないCL制覇のミッションも課せられる。
C.ロナウドはマンUで成功できるのか
スポルティングやマンUでは若手だったこともありゴールは少ないが、レアル・マドリードやユベントスでは20得点以上を挙げている。これだけを見ると、合格ラインは達成できそうにも思える。
移籍後のC.ロナウドには圧倒的得点力と個人能力を存分に発揮させることはもちろん、ブルーノ・フェルナンデス、ポール・ポグバ、カバーニといったスキルが高いプレーヤーと共に最高のパフォーマンスを繰り広げ、ゴールを量産することが求められる。対戦相手にとって、圧倒的破壊力を持つ攻撃陣は非常に厄介なアタックラインになるからだ。
存在感の強いC.ロナウドが、現在のマンUにうまく馴染めるのかどうか気がかりだが、問題はないだろう。マンU時代のアレックス・ファーガソン監督やレアル・マドリードのジネディーヌ・ジダン監督のように細かい戦術ではなく、選手個々の力を信頼し自由にプレーさせることで有名なオーレ・グンナー・スールシャール監督だからだ。C.ロナウドのように、ずば抜けた能力を持つプレーヤーにも非常にやりやすい環境を与えるだろう。
2021-22シーズンはタイトル奪還なるか
先述の3選手以外にも、マンUの攻撃陣にはイングランド代表FWのジェイドン・サンチョや、巧みなドリブルでサイドから切り込みゲームメイクができるマーカス・ラッシュフォードがいるため、創造性豊かで様々なバリエーションの攻撃スタイルが期待できる。
依然として守備力に不安は残るが、高いインテンシティと豊富な運動量、タイトなマーキングによる守備が特徴のスコット・マクトミネイがボランチにおり、最終ラインでは守備範囲が広くフランス代表でもセンターバックの軸とされるラファエル・ヴァランが、キーマンになるだろう。
2007-08シーズン以降CL制覇を成し遂げておらず、2020-21シーズンはリーグ2位に終わったマンUにとって、今シーズンのタイトル奪還は必須だ。果たして、マンUのユニフォームを着たC.ロナウドがトロフィーを掲げる姿を見ることができるのだろうか。それが叶えば、「帰還1年目にして自身8度目のリーグ制覇と6度目のCL制覇」という新たな伝説が生まれる。
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