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鉄壁の東京Vか、好相性の清水か J1昇格プレーオフ決勝「オリ10」対決の見どころ

2023 12/1 18:00SPAIA編集部
決戦の舞台・国立競技場,Ⓒゲッティイメージズ
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Ⓒゲッティイメージズ

J開幕前の決戦から31年

2023年のJリーグもいよいよ大詰め。明治安田生命J1リーグが12月3日(日)に最終節を控えている中、その前日には『J1昇格プレーオフ』の決勝戦が東京・国立競技場で行われる。

今季のJ2では優勝したFC町田ゼルビアと2位のジュビロ磐田がJ1への自動昇格を決めており、残る昇格枠はひとつ。その行方はシーズン終了後に3位~6位の4チームによって行われる昇格プレーオフで争われ、決勝まで残ったのが東京ヴェルディと清水エスパルスとなった。

どちらもJリーグ創設当初から存在する、通称「オリジナル10」のメンバー。思えば、1993年のJリーグ開幕に先立って行われた1992年11月のJリーグヤマザキナビスコカップ(現・YBCルヴァンカップ)の決勝戦が、国立競技場でのヴェルディ川崎vs.清水エスパルスだった。

Jリーグ開幕以降の両者の通算対戦成績は東京Vの26勝に対して清水が19勝、引き分け4つ。そんな歴史と伝統を誇るチームが、今度はJ1昇格をかけて再び国立競技場で激突する。

16年ぶりか、1年で復帰か

31年前のナビスコ杯決勝で清水を破り、翌年にはJリーグ初代王者にも輝く東京Vだが、近年は低迷が続いた。気が付けば2009年からJ2の舞台での戦いを強いられ、もし今回J1復帰が叶えば16年ぶりのことになる。

今季は42試合でリーグ最少の31失点という強力ディフェンス陣の奮闘もあり、最終的には3位でフィニッシュ。特にリーグ戦の最終盤は10戦負けなし(6勝4分)と安定した戦いぶりが光った。

年間順位で清水を上回っているため、今回の決勝戦は90分を戦い抜いて引き分けでも優勝、J1昇格が叶う。リーグ2位の総得点78を誇る清水の攻撃陣をどう抑え込んでいくかが、試合のカギを握りそうだ。

対する清水は昨季J1で17位と苦しみ、7年ぶり2度目のJ2降格という悔しさを味わった。1年でJ1復帰を目指した今季は出だしこそ勝ち点3が遠い日々が続きながら、夏場は約2カ月負けなしと順調に勝ち点を積み上げ、自動昇格圏の2位で最終節を迎える。

ところが、水戸ホーリーホックを相手に1-1で引き分けて自力で昇格を決めることができず、他会場で磐田と東京Vが勝利したため、最後の最後で一気に4位まで転落。昇格プレーオフに回ることになり、準決勝も突破こそしたものの、モンテディオ山形を相手に0-0と勝ち切ることができなかった。

不安が解消されないまま決勝に臨むことにはなったが、今季のリーグ戦で東京Vに対して2戦2勝と好相性を誇ったことは光明と言える。4月8日のホーム戦では序盤に先制点を奪われながら、前半終了間際に追いつき、試合終了間際の劇的ゴールで逆転勝ち。それが待望の今季初勝利だった。

あとは引き分けも許されない、勝つしかないという状況で吹っ切れるかどうか。なんとか早い時間帯にゴールをこじ開け、ここ2戦で見えた重苦しい雰囲気を吹き飛ばすことができれば勝機も見えてくる。

注目の一戦は2日(土)の14時5分に国立競技場でキックオフ。試合はDAZNでのインターネット配信のほか、テレビでもNHK-BS1と地上波・静岡放送でも生中継が予定されている。

東京Vと清水の比較


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