J1リーグでチャンス・クリエイトのトップ3は
第22節まで終了した明治安田生命J1リーグで、数多くのチャンスを演出している選手(チャンスクリエイト数の多い選手)は誰かご存じだろうか。2位タイが53回のアンドレス・イニエスタ(ヴィッセル神戸)とマテウス・カストロ(名古屋グランパス)、そして1位は66回を数えるマテウス・サヴィオ(柏レイソル)だ。
ちなみにチャンス・クリエイトとは、アシスト数とキーパス数の合計のこと。アシストとは味方に出したパスやシュート兼パスがつながり、得点につながったもの。キーパスとは、味方に出したパスやシュート兼パスがつながり、シュートは打ったが得点に至らなかったもののこと。キーパスはサッカーファンの間では俗的に、アシスト未遂と言われることもある。
今回はチャンスクリエイト数の他にも抜群のスタッツを残す2人の「マテウス」に注目。マテウス・カストロとマテウス・サヴィオ、それぞれの凄さをデータ面から検証したい。
マテウス・カストロの今季のスタッツ
名古屋グランパスの背番号10、マテウス・カストロの第22節終了時点でのスタッツから紹介する。
まずは最もわかりやすく、注目される得点数とアシスト数から。得点数は5でリーグ16位タイ、アシスト数は4でリーグ8位タイ。名古屋グランパスの得点数がリーグ最少の16であることを考えると、実に半数以上に深く関わっていることとなる。
ここからはより細かなスタッツを見ていく。シュート数は65本でリーグ2位。さらに枠内シュート数は26を数え、これはリーグトップの数字だ。ドリブル回数は81回でリーグ3位、スプリントの合計回数は515回で6位に入っている。マテウス・カストロといえば突破力というイメージが強いが、ただ仕掛けて抜くだけでなくシュートまで至っており、シュートの精度も高いということになる。
かといって、ボールを受けた時だけの選手ではない。運動量も水準以上で、総走行距離では205.9kmを記録しリーグ32位。
またセットプレーのキッカーも務めており、コーナーキックの本数は55本でリーグ5位、フリーキックの本数では53本でリーグ12位。クロスの本数では5位となる76本を記録している。
得点力不足に悩む名古屋グランパスにおいて、攻撃の柱だとよくわかるスタッツだろう。
マテウス・サヴィオの今季のスタッツ
続いては柏レイソルの背番号10、マテウス・サヴィオの第22節終了時点でのスタッツを紹介しよう。こちらも最も注目される得点数とアシスト数から。得点数は6でリーグ9位タイ、アシスト数は4でリーグ8位タイ。柏レイソルの総得点(28)のうち、約35%に深く関わっている。
ここからはより細かなスタッツを見ていく。シュート数は50本でリーグ5位タイ、枠内シュート数は14本でリーグ15位タイ。仕掛ける意識も高く、ドリブル回数は62回でリーグ9位タイ、トップスピードは時速34.7kmでリーグ15位タイだ。リーグ屈指のパスセンスに加え、仕掛ける意識にスピード、シュート意識、得点力まで備えている。
さらに走力も高い。スプリントの合計回数は492回でリーグ8位、総走行距離でも216.3kmでリーグ16位にランクイン。
こちらもセットプレーのキッカーを務めており、コーナーキックの本数は46本でリーグ11位、フリーキックの本数は41本でリーグ20位、クロスの本数も59本を数えリーグ15位に入っている。
またマテウス・サヴィオならではの特徴として守備への貢献度も非常に高く、ルーズボールの回収数でもリーグ12位タイの72回を誇る。4位につけるチームに攻守両面で多大な影響を与える、絶対的な中心選手だとわかるスタッツだ。

「マテウス」といえば、ローター・マテウスを思い出す方も多いだろう。西ドイツ代表として1990年のワールドカップで優勝を果たし、翌1991年にはバロンドールとFIFA最優秀選手賞を受賞した、サッカー史に残る名選手だ。
Jリーグで抜群のスタッツを残す2人のマテウスが、攻守に活躍したローター・マテウスのように、これからも攻守両面でJリーグを盛り上げてくれることに期待したい。
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