残り16試合「半分以上は勝たないといけない」
ヴィッセル神戸の吉田孝行新監督が、第19節サガン鳥栖戦(駅前不動産スタジアム)を控えた1日、オンライン会見に出席した。
現在2勝5分け11敗で17位・清水に勝ち点6差の最下位に沈む神戸は、ミゲル・アンヘル・ロティーナ前監督を6月28日付で解任。3月に三浦淳寛監督を解任し、暫定的に指揮を執ったリュイス・プラナグマ・ラモスコーチを経て4月に就任したばかりだったが、3カ月も経たないうちに監督交代を繰り返し、批判の声も挙がっている。
火中の栗を拾う恰好となった吉田監督は2017年8月、2019年4月に続く3度目の監督就任。今年はスカウトとしてプロ、アマ問わず多くの試合をチェックしていたが、クラブの緊急事態に覚悟を決め、6月29日に監督就任した。
「勇気のいる決断でした。クラブ愛や感謝の気持ち、恩を返したい気持ちもあります。経験上、残留争いから勝ち上がってくるチームは一致団結している。苦しいのは理解していますが、危機感を持ってやっていきます」
現役時代は消滅が決まっていた横浜フリューゲルス最後の試合となった1999年元日の天皇杯決勝で決勝ゴールを決め、神戸時代は何度も残留争いを経験。J2降格の屈辱も味わった。だからこそ、クラブスタッフやサポーターも含めた「団結」の必要性を強調する。
「ロティーナさんが構築した部分は大きいし、それを捨てるのはもったいない。監督がコロコロ変わって選手が迷ってはいけない」と前監督のサッカーをベースにする方針。その上で「まだ16試合ある。半分以上は勝たないといけない。1戦1戦大事にしたい」と自らにノルマを課した。