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晩成型多い身長185cm以上の大型FW、中島大嘉は2026年W杯で期待?

2022 5/1 06:00小林智明
FC東京時代の平山相太,Ⓒゲッティイメージズ
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Ⓒゲッティイメージズ

目標にバロンドール掲げる19歳の「令和の怪物」

イガグリ頭の新星ストライカーがJリーグを賑わしている。北海道コンサドーレ札幌の19歳、中島大嘉は188㎝・77kgの恵まれた体躯に高い身体能力を搭載し、プロ2年目の今季からエンジン全開。50m6.0秒の爆発的なスピードと跳躍力も有す高打点のヘッドを武器に、リーグ戦2得点、YBCルヴァンカップで得点ランクトップの4得点をマークしている。

加えて、「目標はバロンドール」というサッカー少年が口にするようなビッグマウスも魅力。スター性を併せ持つ大型FWの逸材への期待は、高まるばかりである。

ただし、出場したリーグ戦6試合は途中出場のみ。経験が乏しく、まだ粗削りなプレーも散見され、スタメン奪取には至っていない。では、覚醒から真の実力を身に付け、彼にとっては通過点(?)の日本代表の点取り屋として大成するのはいつになるのだろうか…?

そこで疑問解決の一助になればと、Jリーグ黎明期から現在まで日本代表に選出された185㎝以上の大型FWの成績を調べて考察。具体的には、先人12名のJリーグ(J1)における自己最多得点を挙げたシーズン、当時の年齢を下記の表にまとめた。その数字から大型ストライカーの最盛期の傾向が浮かび上がる。

 185センチ以上の元日本代表FWシーズン自己最多得点

大型ゴールゲッターの適齢期は25歳?

12名の自己ベストシーズンの平均年齢は25.6歳。ご覧の通り「25歳」が一番多く、現役選手では杉本健勇(ジュビロ磐田)、鈴木武蔵(ベールスホット)、矢野貴章(栃木SC)、引退した選手では平山相太、佐藤慶明の計5人がいる。さらに、今回特別に今季J2の成績を反映した小川航基(横浜FC)も、今年8月の誕生日で25歳だ。

この中で意外と思われるのが、中島の先輩にあたる国見高出身の平山相太だろう。「怪物」と呼ばれ、全国高等学校サッカー選手権で史上初の2年連続得点王の快挙を遂げるなど、「早熟」のイメージが強いからだ。

ただし、冷静になって見方を変えれば、同世代の中では突出した“大きいのに上手いプレーヤー”が、大人の中では埋もれてしまったとも捉えられる。

平山がA代表に初選出されたのは、前年あたりから献身性が増し、自己最多得点を記録した2010年。4試合に出場し、デビュー戦のAFCアジアカップ予選イエメン戦では、いきなりハットトリックをマークした。結局、その年の2010FIFAワールドカップ南アフリカのメンバーからは落選したものの、平山自身のピークは25歳に訪れたと言えるのではないだろうか。

こうして見ると大型FWの才能という実が熟すのは、ある程度キャリアを積んだ25歳前後だと思われる。さらに深掘りすれば、ヘッドの強いパワー系FWとしてならした高木琢也、豊田陽平(ツエーゲン金沢)、黒崎久志(比差支)は、20代後半、三十路でゴールという名の釣果を最も稼いでいるのだ。

中島はパワー&スピード系だけに一概には言えないが、成長に関して、少し長い目で見た方がいいかもしれない。世界に目を向けても、長身ゴールハンターの代表格、195㎝のズラタン・イブラヒモビッチ(スウェーデン)でさえ、セリエAで初めて得点王に輝いたのはインテル・ミラノ在籍3年目、27歳の時なのだから。

そう考えると中島には、できれば4年後に迎えるアメリカ・カナダ・メキシコで共催の2026年FIFAワールドカップの際に、ポテンシャルを全解放してほしい。

大型FWのパイオニア、高木琢也を超えられるか

一方で、矛盾することを承知の上で言えば、北の大地で暴れ出した「令和の怪物」を「もっと早く日本代表で見たい」というのが正直な気持ちだ。

ボルシア・ドルトムントの前線にそびえる194㎝の巨漢FW、アーリング・ハーランド(ノルウェー)は、昨季のUEFAチャンピオンズリーグで10得点を奪い、大会史上最年少の20歳で得点王の座に君臨した。

戦う舞台の次元こそ違えど、「和製ハーランド」と呼ばれる中島も、これまでの日本人大型FWにはない規格外の豪快さを秘めている。だからこそ、我々の想像の上をいく成長を遂げ、得点力の萌芽が一気に開花することを願う。

もちろん、一発屋で終わってほしくない。しかしながら、過去の日本人大型FWの事例では、代表チームに定着した選手はひと握りしかいない…。その中で国際Aマッチの出場数のベスト3を挙げると、3位が矢野の19試合(2得点)、2位が黒崎の24試合(4得点)。そして、ゴール数を含めて大差で1位に立つのは44試合(27得点)の高木である。

「アジアの大砲」の異名を持っていた高木は24~29歳の間にA代表で稼働し、2試合で1点以上の高確率でゴールハントを続けた。代表活動に限って言えば、53試合出場21得点の中山雅史よりもゴール数が多く、大型FWでは唯一、日本代表で大成したと言っていいだろう。

Jリーグが生んだ突然変異のモンスター・中島は、10年後には「アジアの大砲」を凌駕する記録を打ち立てているのだろうか。まずはともあれ、恵体を持て余さないよう技術を磨き、札幌でスタメンを獲得しなければ話にならない。

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