「開幕5試合で勝点5の法則」とは
消化試合数に差はあるが、第4節までを終えた2022シーズンの明治安田生命J1リーグ。昨季のJ2リーグで優勝したジュビロ磐田と2位に入った京都サンガF.C.の昇格組はともに4試合を終えて、1勝2分1敗の勝ち点5となっている。
実はJ1リーグには「開幕5試合で勝点5の法則」が存在している。現在の戦績と過去のデータを照らし合わせると、両チームともに早くも残留確定といえるのだ。
J1リーグが18チームになった2005年以降の昇格組で、開幕5試合で勝点5以上を獲得したチームは全て残留。反対に勝点4以下だったチームは、わずか1例を除いて全て降格の憂き目にあっている。
※2020年は新型コロナウイルスの影響で降格自体がなくなったが、柏レイソル、横浜FCともに残留圏の順位でシーズンを終えている。

唯一法則を覆した北海道コンサドーレ札幌
この法則に則ると、昇格したクラブは序盤戦でつまずくと残留が絶望的ということになる。開幕5試合で勝ち点5に届かなかったものの、唯一残留した例を詳しく見ることで出遅れた昇格組が残留することの難しさが浮き彫りになってくる。
2016年のJ2リーグで優勝し、2017年のJ1リーグに挑んだ北海道コンサドーレ札幌。第3節のセレッソ大阪戦で引き分け、第4節のサンフレッチェ広島戦で勝利したものの、第1節のベガルタ仙台戦、第2節の横浜F・マリノス戦、第5節のヴァンフォーレ甲府戦と敗れ、5試合を終えて勝ち点4だった。
その後も第11節から第16節まで6連敗を喫するなど苦しんだが、終盤の6試合で5勝を挙げるなど終盤にスパートをかけ、11位で残留を達成した。
この急浮上の最大の要因は、夏の移籍市場での動きにある。元イングランド代表のFWジェイ、タイ代表のチャナティップ、石川直樹を獲得する積極的な動きを見せると、それぞれが主力に定着。なかでもジェイは14試合で10得点という圧倒的な数字で期待に応えてみせた。
つまり、昇格組が出遅れた場合はこの時の札幌ぐらいの大型かつ的確な補強を行なわねば、残留達成が難しいということになる。
ジュビロ磐田と京都サンガはデータでは残留確率100%!
ジュビロ磐田は毎試合得点を取れており、右サイドの鈴木雄斗が3得点とチームを牽引。4試合全てで途中出場しているジャーメイン良が2得点と、スタメンだけでなく控え組を含めて自信を持って戦えている。加えてリカルド・グラサとドゥドゥという新外国籍選手が加わることによって、スカッドが強化されるだろう。
京都サンガF.C.も毎試合得点を取れており、エースストライカーのピーター・ウタカが3得点と大活躍をみせている。さらにニュージーランド代表のGKマイケル・ウッドが合流し、最後尾の選手層が強化されることに。前線から積極的なプレスをかけて相手を無力化させていくサッカーがより磨かれるはずだ。
15年以上にわたって開幕から5試合で勝ち点5を取った昇格クラブ全てが残留していることはれっきとした事実。今後の伸びしろが感じられ、4試合ですでに勝ち点5を獲得しているジュビロ磐田と京都サンガF.C.は、過去のデータに基づくと100%残留できるということになる。両チームのサポーターにとって心強いデータだろう。
そしてジュビロ磐田と京都サンガF.C.が残留と仮定すると、他のクラブにとってはより厳しい残留争いが待っていることとなる。ここまで4試合を終えて未勝利の湘南ベルマーレやアビスパ福岡、サンフレッチェ広島、6試合を終えているヴィッセル神戸は特に危機感を持って一戦一戦を戦わねばならず、順位が上のクラブも無論安心できる状況にはない。
今年も「開幕5試合で勝点5の法則」は実証されるのか、注目してみてはいかがだろうか。
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