大阪・舞洲で始動、背番号は西澤明訓が背負った「20」
J1のセレッソ大阪が22日、大阪市此花区の舞洲グラウンドで始動し、練習終了後にオンライン会見を開いた。
昨季は18勝6分け10敗の勝ち点60で4位、優勝した川崎フロンターレとは最終的に勝ち点23差をつけられたセレッソ。悲願のリーグ戦初優勝に向けて始動したチームの中で、最大の注目は15年ぶりに復帰した大久保嘉人だ。長崎・国見高から鳴り物入りで加入し、スペイン・マジョルカを挟んで計5シーズンに渡ってセレッソでプレー。57得点を挙げるなどプロとしての礎を築いた。
「最後はセレッソで終わりたいと思いながらいろいろなチームにお世話になった。帰ってこれないと思ってたけど、15年ぶりに帰ってこられて嬉しい」
古巣復帰について、そう心境を明かした大久保。2006年のシーズンを最後にセレッソを離れ、クラブを転々としながらも、ここまで史上最多のJ1通算185ゴールを積み上げてきた。「(最多得点を)更新していきたいし、あと15点で200得点なんで狙いたい」と前人未踏の通算200得点への意欲も堂々と口にした。
背番号はプロキャリアで初めて背負う「20」。スペイン・エスパニョールやプレミアリーグのボルトンでもプレーした元日本代表FW西澤明訓がセレッソ時代に背負っていた番号だ。「アキさんがつけてて、いつもお世話になっていたんで嬉しく思う」と敬愛する先輩の番号を受け継ぐ気持ちを明かした。
クルピ監督と一緒にできるのは「光栄」
指揮官も8年ぶりのセレッソ復帰となったレヴィー・クルピ監督が就任。1997年、2007年から2011年、2012年途中から2013年に続いて4度目のセレッソ監督となり、2010年にはリーグ戦3位にくい込むなど実績を残してきた。
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67歳の新監督は「大切な場所に戻れて嬉しく思う。攻めるサッカーを見せていく」と攻撃サッカーを掲げる。その意味でもJリーグ最多得点を誇る大久保の存在は頼もしいだろう。
チームのエースナンバー8を背負ってきた柿谷曜一朗は名古屋へ移籍し、セレッソで4年間プレーしたマテイ・ヨニッチは上海緑地申花(中国)へ完全移籍した。それでも梶野智統括部長は「2人は残ってほしい選手ではあったが、本人の意思を尊重した。それに替わる選手が獲得できたし、この選手たちで最低トップ3に入れるように今シーズンに臨む」と力強い。
大久保はクルピ監督の印象を「攻撃的なサッカーしていて見てて面白い。いつか一緒にやりたいと思っていたので光栄に思う」と話す。
コロナ渦で先の見通せない2021年シーズン、開幕戦は2月27日に柏レイソルをホームに迎える。「恩返しできるように頑張ります」と意気込む38歳・大久保のサッカー人生最終章がもうすぐ始まる。
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