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【ロシアW杯 代表争いウォッチ】日本代表の「ジョーカー」に名乗りを上げた中島翔哉

2018 4/5 15:19Aki
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Ⓒゲッティイメージズ

W杯代表入りへ猛アピール

2018年3月23日、27日におこなわれたマリ、ウクライナ2連戦。それぞれ「仮想セネガル」「仮想ポーランド」として位置づけられた2試合は1分1敗。結果も内容も厳しいものとなった。

しかし、そんな中で新たな可能性を感じさせたのが日本代表初招集となった中島翔哉選手。初戦のマリ戦で60分から出場し日本代表デビューを果たすと、アディショナルタイムに劇的な同点ゴール。続くウクライナ戦でも79分に投入されるとチームのムードを一変。初招集ながらも強烈なインパクトを残した。

リオ五輪U-23日本代表のエースとしてブレイク

2017-18シーズンからポルトガル一部ポルティモネンセSCでプレーしている中島翔哉選手。 小学校の頃から育成に定評がある東京ヴェルディユースでプレーし、2011年のクラブユース選手権でベストヤングプレーヤー賞受賞。同年のU-17ワールドカップ準々決勝ブラジル戦でゴールを決めるなど早くから将来を期待される存在だった。

2012年にはトップチームに帯同しはじめ、シーズン中にプロ契約を締結。10月にはJリーグ最年少記録を更新するハットトリックを達成している。

そんな中島選手だが、本格的に注目を集めるようになったのはリオ五輪を目指すU-23日本代表に選出されてからだ。

実は中島選手はプロ2年目以降、東京ヴェルディでは監督が交代したことをきっかけに先発出場の機会が減り、その後移籍したFC東京でもベンチ暮らしを余儀なくされていた。

しかし、U-23日本代表の手倉森誠監督からの期待と信頼は厚かった。2015年7月に行われた国際親善試合コスタリカ戦のメンバー発表時に監督はこのように語っている。

「クラブで苦しんでいる選手はいますが、僕が選んだときに僕のチームで活躍できるかどうか、僕の求める戦術を理解してやれるかどうかも選出の大事な要素。例を挙げれば中島翔哉は僕のチームで本当に良くやってくれている。理解のある選手だし、僕のところでは活躍してくれるだろうと思っています

引用元:ゲキサカ https://web.gekisaka.jp/news/detail/?181955-181955-fl

この言葉通りチームの絶対的な存在として中島選手を起用。中島選手はその信頼に応えるようにリオ五輪アジア最終予選で獅子奮迅の活躍をみせた。 また、中島選手が手倉森監督率いるU-23日本代表で記録した総得点19はチーム最多。文字通りエースの働きをしてみせた。

大舞台でも動じないメンタル、途切れない集中力

フル代表初出場初ゴールとなった23日のマリ戦の同点ゴールには中島選手の魅力が詰まっていた。

このゴールの起点となったのは中島選手のターン。三竿健斗選手からボールを受け、一旦前に持ち出してからターンし3人の相手選手を翻弄。それだけにとどまらず、このターンで左サイドに流れた小林悠選手をフリーにしている。

一度はクロスを跳ね返されたものの、こぼれ球を拾った三竿選手のクロスに合わせたのが中島選手だった。試合終了間際ということもあって、マリの選手がクロスを跳ね返した時点で敵味方全員がボールウォッチャーになっていたが、中島選手は唯一人ポジションを修正していた。

このゴールは決して偶然ではない。中島選手は抜群のテクニックと得点力が大きな武器だが、それを支えているのは大舞台でも動じないメンタルと最後まで途切れることのない集中力なのだ。

中島選手がこの2試合で務めた左サイドは、最終予選で大活躍をみせた原口元気選手、スペインで成功している乾貴士選手など実績のある選手が揃う激戦区だ。

守備面やプレーの連続性で劣る中島選手がポジションをつかむのは厳しい状況だが、わずか2試合でロシア行きの可能性を高めた中島選手には、「ジョーカー」としての可能性を感じる。

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