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ワールドカップで出番のなかった男たち、サッカー日本代表の誇りと悔恨

2022 12/20 06:00SPAIA編集部
柴崎岳と町野修斗,Ⓒゲッティイメージズ
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Ⓒゲッティイメージズ

日本代表26選手のうち4人が出場機会なし

サッカーのワールドカップカタール大会はアルゼンチンの優勝で幕を閉じた。日本はドイツとスペインの強豪を破り、グループステージを1位通過。決勝トーナメント1回戦でクロアチアにPK負けして目標のベスト8進出は果たせなかったが、日本中の感動を呼んだ。

世界的な評価を高めた選手や帰国後に日本でメディアに引っ張りだこの選手がいる一方、栄えあるメンバーに選ばれながら一度もピッチに立てなかった選手もいる。

日本代表26選手のうち、カタール大会で出場機会がなかったのはGK川島永嗣(39=ストラスブール)、GKシュミット・ダニエル(30=シントトロイデン)、MF柴崎岳(30=レガネス)、FW町野修斗(23=湘南)の4人。GKはほとんど交代しないため、正GK権田修一(33=清水)以外の2人に出番が巡ってこなかったことに驚きはない。

ただ、今大会から1試合の交代枠が5人に増えたにもかかわらず、ピッチに立つことのなかった柴崎と町野は忸怩たる思いがあるだろう。

「ロストフの14秒」を知る柴崎岳

柴崎は鹿島アントラーズ時代の2012年にA代表に初選出。代表デビューとなった2014年9月のベネズエラ戦でいきなり初ゴールを決めた。

2018年のワールドカップロシア大会は、グループステージ3試合と決勝トーナメント1試合に出場。ラウンド16のベルギー戦では原口元気の先制点をアシストし、チームのベスト16入りに貢献した。

2点をリードしながら追いつかれ、後半アディショナルタイムに高速カウンターを喫した「ロストフの14秒」の悔しさを知るだけに、今度こそという思いは強かっただろう。しかし、柴崎に留飲を下げるチャンスは与えられなかった。

現在はスペインのレガネスに所属。カタールから日本には帰国せずスペインに渡り、チームに合流した。30歳という年齢を考えると「4年後」を簡単に口にできる状況ではないだろう。それでもサッカー人生はまだ終わらない。柴崎がクラブで輝きを放つ日を楽しみに待ちたい。

開幕直前で追加招集された町野修斗

町野は履正社高から横浜F・マリノス入りし、ギラヴァンツ北九州を経て2021年から湘南ベルマーレでプレー。2022年はJ1リーグ得点ランキング2位、日本人選手ではトップの13得点をマークした。

7月のE-1選手権で日本代表に初選出され、初戦の香港戦で代表初ゴールを含む2ゴール。韓国戦でもゴールを決めるなど、得点王に輝く活躍でアピールに成功した。

ワールドカップでは当初バックアップメンバーだったが、DF中山雄太(25=ハダースフィールド)が右アキレス腱負傷で離脱したため、開幕直前の11月8日に追加招集。ラッキーボーイとして期待されたが、出番は巡ってこなかった。

多くの国民が感動し、大フィーバーに沸いた今大会だが、同じユニフォームを着た日本代表でも、選手によってその胸中は様々だ。胸にしまい込んだ悔しさは必ず今後のバネになる。憧れのピッチを前にしながら足を踏み入れることを許されなかった男たちの今後を注視していきたい。

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