中国代表メンバーで欧州クラブ在籍は武磊のみ
2050年までにサッカー大国の仲間入りを目指す中国は国内サッカーレベルの向上を急ピッチで進めている。中国スーパーリーグ(CSL)の移籍市場では一時期、欧州主要リーグを超える大金が動きサッカー界に衝撃を与えた。
ただ、大きな盛り上がりを見せた割に、中国国内選手のレベルは思うようには上がっていないのが実情だ。
カタールW杯2次予選に選出された代表選手を比較すると、欧州リーグでプレーする中国代表選手は33人中1人のみ。それに対し日本A代表では25人中13人の選手が欧州トップリーグで現在もプレーしている。
FIFAランキングで日本は28位(アジア1位)で中国は76位(アジア9位)。ハイレベルな欧州でプレーすることが、結果的に代表チームの強化に繋がっていると言えるだろう。
「元外国人選手」が続々と中国に帰化
とはいえ、中国に帰化した「元外国人選手」も多く、中国代表のレベルが上がっていることは確かだ。欧州や南米の名門クラブでプレーし、世界トップレベルを知る帰化選手らの存在は日本にとっても脅威となる可能性がある。
【DF】
ティアス・ブラウニング(イングランド)
右サイドバックとセンターバック両方をこなすエバートンFCのユースチーム出身の27歳。2014年にトップチームデビューを果たしている。イングランドのU-17、U-19、U-21代表歴あり。2021年にグアム戦で中国代表デビュー。
【MF】
リカルド・グラール(ブラジル)
ブラジルで在籍していたクルゼイロでは2013、2014年と2年連続リーグ制覇に貢献し、2014年に最優秀選手賞を受賞。同年にブラジル代表にも招集。2015年に広州恒大へ移籍し、AFCチャンピオンズリーグ2015の最優秀選手賞と得点王に輝く。2015、16年に中国スーパーリーグでもMVP&16年の得点王。現在、帰化申請中だ。
ニコ・イェナリス(イングランド)
アーセナルFCのアカデミー出身。18歳でトップチームデビュー。U-17、U-18、U-19のイングランド代表経験あり。MF以外にもCBやFWもこなせるオールラウンドプレーヤー。
ジョン・ホー・サテル(ノルウェー)
ノルウェーの名門ローゼンボリBKの下部組織でプレーし、クラブ史上最年少16歳でトップチームデビュー。ノルウェーU-16、U-17、U-18にも選出されている。同じくノルウェートップディビジョンのランハイム、スターベクでのプレー経験もある。
【FW】
エウケソン・ジ・オリヴェイラ・カルドーゾ(ブラジル)
ブラジルの名門ボタフォゴFRでエース。2011年にはブラジル代表にも招集された。2012年に広州恒大へ移籍し、2013、2014年と2年連続CSLで得点王。2019年9月モルディブ戦で中国代表デビューし2ゴールを決めている。
アラン・ドグラス・ボルジェス・デ・カルヴァーリョ(ブラジル)
ブラジル時代はフルミネンセFCに所属し、2010年にサントスFCやサンパウロFCなども所属する強豪リーグ、カンピオナート・ブラジレイロ・セリエAで優勝に貢献。オーストリア・ブンデスリーガのFCレッドブル・ザルツブルクへ移籍し、UEFAヨーロッパリーグでは2014-2015シーズンで得点王に輝いている。2021年5月グアム戦で中国代表デビュー。
アロイージオ・ドス・サントス・ゴンサウヴェス(ブラジル)
2013年に移籍したブラジルの名門サンパウロFCではエースとして33試合出場12得点をマーク。2014年に山東魯能へ移籍し2015年には得点王に輝いている。
フェルナンド・エンリケ・ダ・コンセイソン(ブラジル)
ブラジルの1部リーグ、カンピオナート・カリオカのマドゥレイラECからポルトガルの2部リーグGDエストリル・プライア へ移籍し19試合に出場。2015年にCSLの重慶力帆へ移籍。
アラン・カルデック(ブラジル)
ポルトガルの名門ベンフィカやブラジルのサンパウロなどでプレーした実力者。サンパウロでは3シーズンで92試合25得点を記録。2009年にはブラジルU20にも選出されている。
ロベルト・シウーチョ(ペルー)
ペルーの1部リーグ、ウニベルシタリオ・デポルテスのアカデミー出身。16歳でトップチームデビュー。6シーズンでプレーし100試合以上に出場。8ゴールをあげている。ペルーのU-17、U-20にも選出されている。
帰化選手が加わった中国代表の実力は未知数
9月から始まるカタールW杯最終予選で、日本は中国やオーストラリア、サウジアラビア、オマーン、ベトナムとともにグループBに入った。9月7日にはアウェーで、来年1月27日にホームで中国と戦う。
W杯出場に向け、中国戦はカギを握りそうだ。日本代表が中国代表にどのような戦い方で結果を出すのか注目される。
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