男子選手との違いは…ない
女子選手だからといって、プロになるために特別なことが必要なわけではない。基本的には男子選手と同じだ。
後ほど紹介するが、高校、大学、なでしこリーグの下部組織チームからの選手がほとんどだ。日本女子代表を長年牽引してきた澤穂希さんは、中学生の時からなでしこリーグの前身である日本女子サッカーリーグ、Lリーグに所属する読売サッカークラブでプレーしていたが、これは例外的と言えるだろう。
男子と変わらないということで、女子選手であっても最も大切なのは日々の練習に全力で取り組み、試合で活躍し結果を残すことだと言える。
高校からプロへ
プロ選手になるための代表的な道の1つが、高校卒業後にプロになるという方法だ。男子の高校サッカー同様、女子の高校サッカーにおいてもインターハイや高校選手権などの全国大会があり、こういった場で活躍することでプロにつながる可能性がある。
女子サッカーは、チーム数が増えていると言っても男子ほど多いわけではない。また、いわゆる強豪チームというのは今の所ある程度限られていて、全国レベルの大会でも得点差が開く試合もみられる。
本気でプロを目指すというのなら、強豪校への進学を考えてみるのも1つの方法かもしれない。ただし、進学したからと言って必ずしもプロになれるわけではない。先ほども言ったが、大切なのは本人の取り組みなのだ。
大学からプロへ
こちらもプロ選手になるための代表的な道のりの1つと言える。高校生同様に大学選手権などの全国大会で活躍することで、なでしこリーグや、なでしこリーグ参戦を目指すチームに入団できる可能性が高くなる。
近年では、東京大学や日本大学が女子サッカー部を創部しているほか、男子サッカーでは全国レベルの強豪として知られる流通経済大学も女子サッカー部を創設している。チームのレベルも様々なので必ずプロになれるというわけではないが、プレーを続けることができなければそもそもプロを目指すことすらできないので、そういう意味では、チーム数が増えているというのはプロを目指す選手たちにとってはいいことだと言える。
また、大学のチームがなでしこリーグに参戦しているケースもある。神奈川の日体大FIELDS横浜(日本体育大学)、岡山県のFC吉備国際大学Charme(吉備国際大学)の2チームは2017年現在なでしこリーグ2部に所属している。大学生のチームながら、プロ選手も所属するチームとの試合を経験することができる環境にあるのだ。他にも3部のチャレンジリーグにも新潟医療福祉大学、静岡産業大学のチームが参戦している。大学生のうちからなでしこリーグを戦うということを選択肢に入れるのも1つの方法だ。
下部組織からプロへ
なでしこリーグに参戦しているチームの中には、下部組織を持っているチームもある。男子でいうJリーグ所属チームのユースやジュニアユースのようなチームだ。
例えばなでしこリーグの強豪である日テレベレーザには、日テレメニーナ、日テレメニーナセリアスという高校生、中学生向けのチームがある。他にもジェフ市原・千葉レディースにも高校生、中学生が所属できるチームがある。また、INAC神戸には中学生を対象としたチームに加えて社会人も所属できるチームがあり、それぞれのカテゴリーでトップチームを目指して活動している。
このように、なでしこリーグ所属チームの下部組織からトップチームを目指すという方法もある。
なでしこジャパンに入るには
プロを目指す選手は日本代表も目指していることと思う。では、なでしこジャパンに入るためにはどうすればいいのだろうか?正直なところ、100%の正解はない。現在の主な代表選手を見てみても、高校出身選手、大学出身選手、下部組織出身選手などさまざま。どのチーム出身だから選ばれるということはない。
やはり大切なのは、試合で活躍して結果を残すことだ。常に自分のベストが出せるように日頃の練習から全力で取り組み、体のケアを怠ることなくサッカーに向き合うことが、まずは絶対条件なのではないだろうか?
まとめ
ここまで女子サッカー選手になるための道のりを紹介してきた。なでしこリーグのチームに入団できたとしても社員選手でプレーする選手もいる。入団=プロというわけではないのだ。しかし、だからと言って日々の取り組みで手を抜いてはいけない。本気でサッカーに取り組むことがプロになる近道なのだ。