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女子サッカーの強豪国はどこだ?強さの理由を考える

2017 5/8 19:55芝田カズヤ
サッカー
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Photo by Fotokostic/Shutterstock.com

2011年と2015年の2大会連続でワールドカップ決勝に進出するなど、強豪の仲間入りを果たした”なでしこジャパン”。しかし2016年のリオ五輪の出場権を逃すなど、その強さはまだまだ磐石のものではない。今回は女子サッカーの強豪国に焦点を当て、その強さの理由を考えたいと思う。

女サッカーの強豪国とは?

まずは、なにをもって強豪とするか、本稿ではワールドカップの優勝回数やオリンピックでのメダル獲得数、さらにFIFAランク上位の常連国などを参考に見ていく。
後ほど詳しく説明するが、これらの数字を見てみると強豪国として2チームが浮かび上がってきた。それはアメリカとドイツだ。本稿ではこの2カ国に加えて、日本も強豪国の1つとして紹介する。そして最後には、3カ国のチーム状況から考えられる強さの理由にも触れたいと思う。

日本_環境向上が実を結ぶ

日本はこれまでワールドカップ優勝1回、オリンピックでは銀メダル1個という成績を残してきており、FIFAランク7位(2017年03月24日現在、以下同様)だ。
近年力をつけてきたという印象のある日本だが、その背景には女子サッカーの環境が向上したことが挙げられる。例えば、日本サッカー協会が開催する「なでしこひろば」は、年代に関係なくすべての女性にサッカーに触れてもらうイベントで、全国各地で取り組まれている。
また「JFAアカデミー」に代表されるように、トップ選手を養成する機関の役割も大きいと言える。実際にアカデミーを卒業した選手がなでしこジャパンに選ばれるなど、徐々に成果を見せはじめている。
さらに「なでしこ海外強化指定選手」という制度も設けられた。これはなでしこジャパンの中心選手が海外でプレーするための支援を行うものだ。このように普及と強化の取り組みが日本の強さの背景にあるのだ。

アメリカ_女子サッカー界のクイーン

続いて紹介するのがアメリカだ。ワールドカップ優勝は最多の3回、オリンピックでは金メダル4個、銀メダル1個を獲得。そしてFIFAランキングでは1位と、まさに女子サッカー界のクイーンとして君臨している。
アメリカに関しては2015年のワールドカップの成績から強さの理由を考えてみる。
まずアメリカの強さは失点数の少なさにある。アメリカはワールカップで7試合を戦っているのだが、失点数はわずか3。キーパーのセーブ率は約83%で大会におけるトップセーブとなっている。しかし失点数は少ないものの僅差ばかりで勝利するというチームでもない。個人の得点ランキングではカーリー・ロイド選手が6得点でドイツの選手と同率1位になっているほか、チームの総得点でもドイツに次いで2位となっておりその強さを発揮している。

ドイツ_攻撃力No.1

最後に紹介するのはドイツだ。ワールドカップ優勝2回(2003.07年大会を連覇)オリンピックでは金1個、銅3個、FIFAランク2位とアメリカに次ぐ強豪だ。
ドイツの強さは何と言っても攻撃力。ほぼ毎大会で全出場国中屈指の攻撃力、シュートを打った回数の個人ランキングも上位5人のうちドイツは4人を占めている。さらに得点女王にもセリア・シャシッチ選手がアメリカの選手と同率ながら輝いていて、チームの総得点についても1位と、とにかく攻撃力を武器としているということがわかる。

強豪国に見られる特徴

ここまで3カ国を紹介してきたが、強豪国に共通しているのが、自分たちの特徴を持っているということだ。アメリカとドイツに関しては先ほども紹介したようにそれぞれ守備、攻撃という特徴を持っている。また日本に関しては「技術力」のレベルが高いということは長い間言われている。チームとして1つの特徴を持っているということは強豪国に共通していることのように思われる。
次に選手人口から考えてみる。FIFAランク1位、2位であるアメリカ、ドイツは選手人口においても1位、2位に位置している。女子サッカー選手の人数はアメリカが約166万人、ドイツは約95万人となっている。一方の日本は約3万人と雲泥の差がある。
国を強化する際に競技人口が多いに越したことはないし、人数が多いと、高いレベルの選手が生まれやすくなる。
日本は確かに世界一には輝いたが、2016年のオリンピックの出場権を逃すなど、まだまだ安定した強さを発揮できるまでには至っていないのかもしれない。
競技人口は間接的にではあるが、国の強さに大きく関わる要素なのだ。

まとめ

ここまで女子サッカーの強豪国を3カ国紹介してきた。3カ国はそれぞれ自分たちの強みを持っていて、それをうまく試合で活かすことで好成績につながっているものと思われる。一方で競技人口も強さにつながる要素であり、日本のように競技人口が少ない国は競技人口の増加も強化が急務と言えそうだ。