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なでしこリーグの強豪チームはどこ?優勝回数ランキング

2017 5/8 19:55芝田カズヤ
サッカーボールⒸShutterstock.com
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Photo by Evgenii Matrosov/Shutterstock.com

日本の女子サッカー最高峰のリーグがなでしこリーグ。トップリーグということだけあって、多くの日本代表選手がプレーしているほか、現在海外で活躍している選手のほとんどが、なでしこリーグでのプレー経験がある。今回はそんななでしこリーグのクラブを、優勝回数ランキングで見ていく。

1位:日テレ・ベレーザ(14回)

第1位は日テレ・ベレーザ。優勝回数は14回と、他の追随を許さない数字を打ち立てている。
ベレーザにはこれまで多くの日本代表選手が所属しており、2005年から2008年にかけてリーグ4連覇を果たした際には、のちの女子W杯優勝メンバーとなる澤穂希選手や永里優季選手、岩清水梓(いわしみず あずさ)選手などが所属していた。また、現日本女子代表監督の高倉麻子監督も選手としてのキャリアの大半をベレーザで過ごしている。
まさに日本女子サッカーの歴史に残るチームと言える。

2位:INAC神戸レオネッサ(3回)

続いて第2位はINAC神戸レオネッサだ。
チームの創設は2001年と比較的歴史は浅く、なでしこリーグへの参加も2005年に2部リーグからのスタートだった。チームの初タイトルはなでしこリーグではなく、2010年に行われた皇后杯。初タイトルの勢いそのままに、翌年の2011年に無敗でなでしこリーグ初優勝を果たす。この年は日本代表の澤穂希選手、大野忍選手、近賀ゆかり選手などが加入し、チームの力が一気に高まった年だった。
翌2012年、続く2013年とリーグ3連覇を果たし、特に2012年は2011年に続いての無敗優勝を飾っている。
チームの強さの背景には選手がサッカーに取り組みやすい環境がある。トップレベルの選手はプロ契約をしているほか、会社に所属しながらプレーする社員選手も社業はほとんどなく、サッカーに専念することができている。

2位:浦和レッズレディース(3回)

レオネッサに並んで2位タイにつけるのが浦和レッズレディースだ。「浦和レッズ」の名前からもわかるとおり、Jリーグ所属の浦和レッズの下部組織のチームだ。
チームの発足は1998年で、当時はチーム名は「浦和レイナスFC」や「さいたまレイナスFC」として活動していた。リーグ初優勝は2004年のさいたまレイナスFC時代。チームには日本代表にも選ばれた山郷のぞみ選手や安藤梢選手などが所属し、なかでも安藤選手はその年の得点王とMVPを獲得するなど初優勝に大きく貢献した。
その後、2005年にレッズの下部組織になる。一時は優勝から遠ざかったものの、2009年に2度目の、2014年に3度目の優勝を果たす。
現在の浦和には、猶本光選手や菅澤優衣香選手をはじめ、日本代表選手が何人も所属しており、今後も優勝回数を積み重ねていくことが期待される。

2位:日興証券ドリームレディース(3回)

こちらも2位タイ、3度の優勝経験を誇ったのが、日興証券ドリームレディースだ。しかしこのドリームレディースは廃部となり、現在は存在していない。
日興証券の企業チームとして1990年に発足したドリームレディースの初代監督には、女子日本代表監督の経験もある鈴木良平監督を招聘。1991年の皇后杯では初出場初優勝という快挙を成し遂げる。
リーグ戦にも1991年から参戦し、初優勝は1996年。この時チームを率いていた鈴木保監督も、女子日本代表監督の経験を持つ方だった。企業チームであるため、選手は社員であり社業もあったのだが、サッカーに専念できるよう環境を整備。
その甲斐あってか、96年にリーグ戦17勝1敗の成績で優勝した。その後1997年、1998年と3連覇を達成したものの、チームや本社の環境が悪化。1999年の皇后杯を最後にチームは消滅してしまった。

今後の展望は?

女子サッカーの現状は、母体の企業で働きながらプレーする社会人選手が多く存在している。また資金面で苦労しているチームも少なくはなく、これまでに10以上のチームが廃部や活動縮小によりリーグから撤退している。さらに2016年のリオデジャネイロオリンピックの出場権を逃したことで、女子サッカー人気が再び失われてしまうおそれもある。
このように日本における女子サッカーは、選手の立場、チーム、競技人気など、いまだに不安定な要素が多い競技と言える。そのため、今後は各チームがいかにこれらの不安定要素を取り除けるかどうかがリーグの優勝争い、ひいては女子サッカーの今後に関わってくると考えられる。
例えば先ほど紹介したINAC神戸レオネッサはプロ契約を多く行っているほか、社員選手であってもサッカーに専念できる環境がある。日興証券ドリームレディースも3連覇した時には選手がサッカーに専念できる環境が用意されていた。
資金面など簡単にはいかないとは思うが、選手がサッカーにより専念できる環境整備をチームが行うことで、いま以上にプレーの質が上がり、安定して高い人気を獲得することが、女子サッカーが盛り上げるのではないだろうか。

まとめ

優勝回数からもわかる通り、現状では一部のチームが強豪として君臨する形になっている。しかし、近年女子サッカーの選手数が増えているなど女子サッカー自体が大きく変わっていっているので、今後新たな優勝チームが現れるかもしれない。