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スキー・モーグルのルールと歴史、堀島行真と川村あんりが北京五輪でメダル狙う

2022 1/17 11:00田村崇仁
北京五輪金メダル候補のモーグル男子・堀島行真,Ⓒゲッティイメージズ
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Ⓒゲッティイメージズ

堀島行真、川村あんりW杯アベック優勝

フリースタイルスキー・モーグルの日本勢が2月開幕の北京冬季五輪へ今季好調をキープし、メダル有望種目として一躍注目されている。

1月14日、米ユタ州ディアバレーで行われた北京冬季五輪前最後となるワールドカップ(W杯)第9戦では、男子のエース堀島行真(トヨタ自動車)と女子で17歳の川村あんり(東京・日体大桜華高)がそろってアベック優勝を果たした。

24歳の堀島は「絶対王者」と呼ばれる強敵ミカエル・キングズベリー(カナダ)を撃破し、84・04点で今季3勝目。通算では女子の上村愛子を抜いて日本選手歴代最多となる単独トップの11勝目となった。川村は80・89点で今季、通算とも3勝目。初出場となる五輪にW杯種目別首位の優勝候補として挑む。

モーグルはノルウェー語で「雪のコブ」

モーグルとはノルウェー語で「雪のコブ」を意味し、コブがある急斜面をスキーで滑り降りる採点競技だ。起源は1960年代の米国で、コブだらけの斜面を誰が一番早く滑り降りることができるか競争する遊びから始まったとされる。

1980年代から1990年代にかけて新たなスタイル分野として競技化。冬季五輪では1988年カルガリー大会で公開競技、1992年アルベールビル大会から正式競技となった。

日本勢では里谷多英が、日本女子初の冬季五輪金メダリスト。1998年長野冬季大会のフリースタイルスキー女子モーグルを制し、当時はまだW杯でも優勝経験がなかったが、いきなり頂点に立って日本中を驚かせた。

選手2人が隣り合って同時に滑走し、1対1で争うデュアルモーグルもあるが、五輪ではモーグルのみ採用。北京五輪では2月3日から男女予選が始まり、決勝は男子が2月5日、女子は2月6日に行われる。

ターン、エア、タイムの3要素で争う

選手は規則的なコブが配置された急斜面コースを滑走。上半身を安定させつつ、ひざを大きく曲げて衝撃を吸収しながら、小刻みにターンを繰り返して進む。途中に2つのジャンプ台があり、ターン(滑走)、エア(空中技)、スピード(滑走の速さ)の3点で争う。

100点満点のうち、ターンは採点比重が60%と最も高く、その出来栄えが勝敗を左右する。2カ所のジャンプ台で繰り出す空中技「エア」も見せ場で、比重は20%。2回のエアでは異なる技を出さなければならない。年々高度化するエアトリックの難易度にいかに対応するかも大きな鍵。採点要素の残り一つで20%を占めるのがタイムとなる。

北京五輪は日本勢が男女各4枠

日本は男女とも北京五輪出場の4枠を獲得した。男子は堀島のほか、杉本幸祐(デイリーはやしや)、前回2018年平昌五輪銅メダルの原大智(日本スキー場開発ク)、松田颯(しまだ病院)。原は「競輪選手」という新しい肩書を持ってモーグルに戻ってきた、異例の「二刀流アスリート」としても関心を呼びそうだ。

女子は川村、冨高日向子(多摩大)、住吉輝紗良(日大)、星野純子(リステル)が出場を確実にしている。

身長170センチの堀島は、2017年世界選手権でモーグルとデュアルモーグルの2冠を達成した実力者。今季は得点の比重が最も大きいターン技術がさらに向上し、滑りの精密さに安定感が増している。最大のライバルは憧れの選手でもあるキングズベリー。金メダルが期待された2018年平昌五輪では、決勝で転倒して11位に終わったが、北京大会はそのリベンジも懸けた舞台となる。

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