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初めてのボート競技観戦!どこに注目する?

2016 12/16 11:07
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Photo by Jorge Salcedo / Shutterstock.com

日本ではあまりなじみのないボート競技。 しかし、ルールは「速くゴールすれば勝ち」という単純なものなので、初心者の方でもわかりやすく観戦できる競技です。 今回は、これからボート競技を観戦してみたいという方のために、競技の基礎知識や観戦ポイントなどをご紹介します。

ボート競技観戦がオススメな理由

ボート競技は、水上の一定距離を漕ぎ進める速さを競い合うスポーツ。1900年の第2回パリオリンピックから開催されている、伝統ある競技でもあります。
単純なルールのため、何も知らない初心者が観戦しても勝敗がわかりやすく、ボートのスピードも感じ取ることができます。また、個人だけでなく団体などボートに乗る人数で細かく分類されており、1つの大会でさまざまなレースを楽しむこともできます。
選手個々のスキルはもちろん、風や水面の状態など自然条件がレースに影響するなど、単純なルールの中にも複雑な要素が多くあるため、飽きることなく楽しめる奥深いスポーツなのです。

種目ごとに違う観戦ポイント

一口にボート競技と言っても、種目ごとに注目すべき観戦ポイントは異なります。
まず個人種目のシングルスカル。1人用のボートは、1回のストロークがスピードや舵に大きく影響を与えるだけでなく、安定性が乏しいため風など自然条件の影響も大きく受けます。個人の高いスキルが求められるため、選手個人のプレーに注目してみてください。
次に、2人競技のダブルスカルとペア、4人競技のクォドルプルスカルトフォア。選手は人数が増えるごとに息を合わせることが難しくなる一方、観戦側はピッタリと合ったオールさばきの美しさを楽しむことができます。
最後にエイト。ボート競技の花形とも言えるこの種目の特徴は、何といってもスピードです。他の種目よりも激しいレース展開を楽しめるほか、8人で息を合わせる各選手のプレーも必見です。

クルーのポジションを覚えればより楽しく

大人数のエイトなどの種目では、選手(クルー)にもさまざまなポジションがあります。
まず、司令塔となるのがコックス。進行方向を向いて最短距離で走破できるように舵取りを任されます。全体のペース配分など指示を出しています。
次に一番船首側に位置するバウ。水面の揺れが激しいポジションですが、他のクルーに合わせてオールをさばき、時にはコックスのように指示も出します。
反対の船尾側に位置するストロークは、他のクルーから見られる位置にあるため、ピッチなどはチームの基準となります。
そして、中間に位置するミドルクルーは、チームで最もパワーのある選手が任されます。チームのエンジンとして、力強いオールさばきを観ることができます。
これら各ポジションの役割に注目してみると、ボート競技観戦をより楽しむことができます。

国内で観られるボート競技大会

ボート競技では、オリンピックと毎年開催される世界選手権が最も有名で権威のある大会となっています。 また、日本国内でもさまざまな競技大会が開催されており、「レガッタ」という名前でも親しまれています。国内の大会は、特に5月から8月の間に集中しています。
有名な大会としては、9月に開催される「全日本選手権競漕大会」、4月に開催される「早慶レガッタ」が挙げられます。全日本選手権競漕大会では、日本一を決めるハイレベルなレースを楽しむことができます。
一方、早慶レガッタは、1905年から開催されている伝統ある大会で、通常よりも距離の長い3000mのコースということで、単なる大学対抗試合という枠を超えて多くのファンに親しまれています。

注目しておきたい日本人選手

これまでオリンピックでは、2000年と2004年の男子6位が最高で、メダルには縁のない日本代表。しかし、2020年に東京オリンピックが開催されることから、日本勢への期待も高まっています。
そんな日本勢ですが、ボート競技観戦の初心者でもぜひ注目しておきたいのが、2016年のリオオリンピックに出場した男子軽量ダブルスカルの大元英照・中野紘志組、女子軽量ダブルスカルの大石綾美・冨田千愛組です。
どちらのペアもリオでは決勝まで進むもメダルには届かず。しかし、2016年のアジア・オセアニア大陸予選では上位に位置した実力者です。特に大石・冨田組は、2015年のユニバーシアードで日本ボート競技史上初となる金メダルを獲得しています。どちらのペアもまだまだ若く、今後の活躍が期待できるため、2020年の東京オリンピックに向けて注目したい存在です。

まとめ

まだボート競技について何も知らないという方でも、ぜひ一度大会に足を運んでみてください。 初めのうちは頭で難しく考える必要もなく、ただ観ているだけでボートの速さ、選手たちの声や動き、コース上の風など、さまざまな魅力を感じ取れるはず。 もちろん、興味が沸けば、お気に入りの種目や選手を見つけると、より楽しむことができますよ。