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制御不能なカリスマ、内藤哲也と再戦するIC王者クリス・ジェリコとは? 

2019 1/1 15:00鈴木 善勝
クリス・ジェリコ,Ⓒゲッティイメージズ

Ⓒゲッティイメージズ

IWGPインターコンチネンタル王者 「スーパースター」クリス・ジェリコ

プロレス・格闘技界では、「ありえない」と言われたことが多く実現してきた。 近年では、ボクシングvs総合格闘技として話題を集めたフロイド・メイウェザーvsコナー・マクレガー。 日本のプロレス界では、アントニオ猪木VSモハメドアリ、1990年に行われた新日本プロレスvs全日本プロレスの団体交流戦などが挙げられる。

近年の新日本プロレスでも、その「ありえない」カードが組み込まれ、プロレスファン達に激震を与えていた。その中心となる人物が、「WRESTLE KINGDOM 13 in 東京ドーム」にて、内藤哲也とIWGPインターコンチネンタル王座をかけて戦う「スーパースター」クリス・ジェリコだ。

2018年にクリス・ジェリコが「WRESTLE KINGDOM12」に参戦することが決まると、ファン達は大いに驚き、話題は一気に広まった。その結果、この興行は動画配信サイト「新日本プロレスワールド」最高視聴者数を稼ぎ、最高動員数を記録した。

クリス・ジェリコは、それからも新日本プロレスのマットに登場し、ファンを驚かせ続けている。 神出鬼没のスーパースター、ジェリコとは何者なのか?

世界最大規模団体「WWE」メイン級レスラー それだけにとどまらない才能

彼が活躍していた世界最大規模のプロレス団体「WWE」は、華やかな舞台故に競争も激しく、実力があってものし上がれないことが多い。しかし、その団体の中でクリス・ジェリコという選手は輝き続けた。

2001年にはWWE世界王者を戴冠し、史上初のWWE&WCW統一世界王者に輝き、2012年にはWWE公式サイトが選出した史上最もカリスマ性のあるレスラー5人にランクインしている。

数々のレスラーとも名勝負を繰り広げ、プロレス史に名を残してきた張本人だ。彼と共に同じ時代を戦ってきた選手達はプロレスを引退したり、団体の幹部としての仕事をしたりしている中、ジェリコはいまだに現役として戦い続けている。

WWEのオーナーであるビンス・マクマホンの権限は絶対的なものである。しかし、ジェリコはその経歴や人間性から、選手でありながらビンスに対して意見を言える立場でもあるともうわさされている。

まさに「生ける伝説」ともいえる彼は、本来ならばどの団体にも引っ張りだこの存在だ。2017年にWWEとの契約を終わらせ、フリーとして活躍する彼をどの団体も喉から手が出るほど欲しかったに違いない。

そんな彼が選んだ舞台は新日本のリングだった。ファン、業界、ジェリコ自身に利点があるとして参戦を決めたというが、その点では新日本プロレスという団体がいかに世界からも注目されているかがうかがえる。

だが、彼のすごいところはプロレスだけにとどまらない。 自身がボーカルを務めるバンド「FOZZY」での音楽活動、クイズ番組の司会、作家としての執筆活動、タレントとして多くのテレビ番組にも出演するなどマルチな活動を行っている。 様々な才能を発揮している彼だが、レスラーとしての魅力はどこにあるか?

誰とでも、どこででもレスラーとして最高レベルの「協調性」

いい選手でありながら、他団体に移籍した後に勢いを落とし、あまり活躍できない選手もいる。それは、手が合う選手に巡り合えず、観客を魅了する試合ができないことが理由として挙げられる。 しかし、クリス・ジェリコはどの団体に出ても、どの選手と戦っても、名勝負を繰り広げられる技量と実力が備わっている。

今年のWRESTLE KINGDOM12では、ケニー・オメガとノーDQマッチ(反則無しでの試合)で、ファンを大いに盛り上げ、歴史に残る名勝負を展開した。

しかし、ジェリコというレスラーが反則技だけに特化しているわけではない。むしろ、日本でプロレスを学んでいたことから、正統派のレスリングが持ち味の選手なのである。その中で、反則無し戦で名勝負を繰り広げるというのは、やはりジェリコという選手の技術、そして長年の経験がものをいっている。

若手選手から、ベテラン選手まで幅広く相手をすることができる、ジェリコという選手は多くの選手のよさを引き立てることができる。それは、プロレスにとって相手を完膚なきまでに叩き潰すよりも大切な要素だ。それができるからこそ、彼は「スーパースター」なのである。

内藤哲也と再戦!火花を散らす両者の結末は?

WRESTLE KINGDOM 13では、自身の持つIWGPインターコンチネンタル王座をかけて、内藤哲也とシングルマッチを行う。

因縁の始まりは、2018年の1.5「ニューイヤーダッシュ」での襲撃だ。それから、幾度と内藤を襲撃し、2018年の6.9大阪城ホール大会「DOMINION」にて内藤の持つIWGPインターコンチネンタル王座がジェリコの元に渡ってしまった。今回、内藤にとってはリベンジとなる一戦である。

「内藤のキャリアを終わらせてやる」というジェリコ、それに対してどこか余裕綽綽の内藤。

世界のスーパースターにロックオンされた内藤は、再びインターコンチネンタル王座に返り咲き、世界中に「内藤哲也」という名前を轟かせることができるのか。はたまた、日本の制御不能を叩きのめし、宣言通り内藤のキャリアを終わらせることができるのか。

ダブルメインイベント一戦目の結末はいかに?

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