オリンピックの開催地決定には2段階の審査がある!
オリンピックの開催地を決定するにあたっては、立候補した国に対して2段階の審査が存在しています。
まず最初の1段階では、開催地に立候補する国が「開催計画の概要」を記した企画書をIOCに提出します。そこで企画書を吟味し、開催能力の有無を判断。その後の2段階へ進ませるかどうかを判断します。
2段階へ進むことができれば、次は「開催計画の詳細」を記した企画書をまたIOCへ提出。そして、IOCの審査団がその国を訪れ、企画書を基にその国のインフラ、競技の行われるスタジアムなどの視察を行います。
それらのステップを経た後、「開催予定の7年前」にIOC委員らが投票を行い、その結果により開催地が決定します。この時の審査には多くの項目が含まれるのですが、次項からはその代表例を見ていきます。
治安・警備は十分かチェック!
近年のテロの脅威により、世界各国での治安・安全には多くの方が懸念を抱いています。この懸念は、多くの人々が集まることになるオリンピックではなおさらです。人が集まる故のテロ、およびそれに伴う犯罪の増加が懸念されるのです。
競技の行われる予定地周辺はもとより、選手・観客が使用することになる移動経路などの警備計画などを入念にチェックされます。この警備計画は一般市民には公開されませんが、警官などの動員数や、その配置などをチェックしているものと思われます。
やはり、せっかくの祭典ですから、「安全に行う」というのが大命題となるわけですね。
開催能力・財政面をチェック!
オリンピックを開催することで、観光客などがもたらす外貨の流入など、多くの経済効果が期待されます。
ただ、開催するまでには選手村建設費、スタジアム建設費はもちろん、さまざまな準備に多額のお金が必要になってきます。ですから、そのお金を工面する財政的な余裕がその国にあるのかという点も重要なチェック項目になります。
開催能力がないと判断されれば、前述の安全性などさまざまな面にも不安をもたらすため、開催地の候補からは落選濃厚となってしまいます。
インフラは充実しているかチェック!
オリンピックが開催されると、選手の移動はもちろんのこと、選手に同伴する各国のスタッフ、競技を見に来る観光客など、「多くの人々の大移動」が見込まれます。
それにあたって必要となるのが「インフラ整備」です。人を受け入れるだけの宿泊施設、飛行機・電車・バスなどの移動手段の確保ができなければ、開催地に名乗り出るのはかなり難しくなります。
オリンピックは選手が主役ではありますが、競技を見に来る観光客だって大事な存在なのです。選手に配慮するだけでは、オリンピックを開催することは難しいということですね。
まとめ
オリンピックの開催地を決めるにあたっては2段階の審査があります。
IOCは各国の開催計画を基に、治安・警備面、開催能力・財政面、インフラの充実度を視察を行いながらチェックしていきます。このチェックに通ることができなかったり、懸念する点が多かったりすると、開催はかなり難しくなります。
2020年に開催される東京オリンピックは、これらの項目以外にも、さまざまな審査を見事クリアしたことになります。
開催が今から楽しみですね。素晴らしいスポーツの祭典となることを期待しています。