ドヴィツィオーゾが安定感を保つもマルケスの強さが際立った前半戦
19戦中9戦を消化し、3週間のサマーバケーションに入ったMotoGP。今年の前半戦は、第3戦でスズキのアレックス・リンス、第8戦でヤマハのマーベリック・ビニャーレスが今季初優勝を挙げるなど、各メーカーのポテンシャルが拮抗し、レースもMoto3のような長い隊列での接近戦が繰り広げられている。
しかし、王者マルク・マルケスがランキングトップでシーズンを折り返すのは例年通りだ。2015年以外MotoGPクラスで前半戦をトップで折り返しているマルケス。今年も、これまで負けなしだったアメリカズではリタイアに終わったものの、9レースで優勝5回、2位3回と抜群の安定感を誇っている。
ポイントランキングでも2位に58ポイント差をつけており、これは開幕10連勝を達成し前半戦だけで77ポイント差をつけた2014年シーズンに次ぐ数字だ。また、サマーブレイク前の第9戦ザクセンリンクでは125ccクラスからの連勝記録を10に伸ばし、史上最多連勝記録を更新。最高の形で夏休みを迎えることとなった。
一方、チャンピオン争いのライバルであるアンドレア・ドヴィツィオーゾも開幕戦で優勝し、表彰台4回、4位3回と安定した成績を残している。だが、常に2位以内に入っているマルケスには、レースを重ねるごとに差を広げられてしまっているのが現状だ。
トップスピードが武器のドゥカティに乗るドヴィツィオーゾだが、以前からマシンの課題として挙げているコーナーリング性能が足かせになっているようだ。特に第8戦のアッセンと第9戦のザクセンリンクは低速コーナーが多いコースのため、他のライバルに比べ旋回性に劣るドゥカティ勢は苦しんだ。さらに、スズキの躍進に触発されたヤマハが徐々にポテンシャルを上げてきていることもポイントが伸びない要因だろう。
チャンピオン争いを続けるには、ドゥカティはドヴィツィオーゾが訴える旋回性の問題に取り組まなければならない。今シーズンの成績は後半戦初戦のチェコGP後に行われるオフィシャルテストで問題を改善できるかにかかっている。