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天才女子中学生ドライバーJuju&元F1ドライバー 野田英樹~親子で挑む世界のトップ①~

2018 8/31 07:00SPAIA編集部
Juju,野田樹潤,野田英樹,ⒸSPAIA
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Jujuが「FORMULA UNDER 17 & SENIOR RACE」第3戦決勝で逆転勝利

8月19日、岡山国際サーキットで、「FORMULA UNDER 17 & SENIOR RACE」第3戦に天才女子中学生ドライバーのJujuこと野田樹潤さんが出走しました。Jujuさんは予選タイムトップでポールポジションを獲得。決勝はスタートで出遅れ、2番手での立ち上がりとなったものの、3週目にオーバーテイクすると、その後は盤石の走りで勝利を挙げました。

Juju,野田樹潤

写真提供:Juju/野田樹潤

SPAIA編集部はこの日、Jujuさんと、お父さんでF1ドライバー経験者の野田英樹さんにお会いする機会をいただきました。家族で世界のトップドライバーを目指すお二人に、親子で監督と選手という関係や日本から世界を目指す難しさなどをうかがいました。全3回でお届けします。

初めは一緒に頑張ってみようかって感じでした

──ドライバーを目指されたきっかけは?普段どんなトレーニングをしていますか?

Jujuさん:小さいころからF1レーサーだったお父さんを見ていて私も乗りたいと思ったのがきっかけです。

筋肉がすごく付いたり目に見えて変わることはないけれどドライバーには大切だと思って日々トレーニングをしています。

──F3に上がって変わったことは?

Jujuさん:ハンドルが重かったり、コーナーの入りの速度が速かったりする所です。スピード的には40kmぐらいしか変わらないけど全然違います。

Juju,野田樹潤

──Jujuさんがレーサーを目指すと聞いたとき、父親としてどんな思いでしたか?

野田英樹さん(以下、英樹さん):まだすごく小さかったんで、現実味はあまりありませんでしたね。

本人がやるって言うのだったら、まぁ応援したろかなっていうのと、親子でできるし、親子でやるんだったらコミュニケーションにも良いし、ぐらいの気持ちでした。

もう少し大きくなってからレーサー目指したいって話だったら、現実味もあったし色々考えさせられたかもしれないけど、まだ小さかったし、一緒に頑張ってみようかって感じでした。

今は、親子で何か頑張れるって、非常に楽しいことですし、中々親子でそういうことを目指せるってことはないと思うので、幸せだなと思いますね。

何年もかかることを短時間でやってしまう

──ドライバーとしての才能に気づいたのは?

英樹さん:理屈ではなく、車のポテンシャルを感覚で感じて走らせることができる。スピードに対しての適応能力がある。それって教えてできることじゃないんです。

どこでどうハンドル切って、どこでどうブレーキを踏んで、とか、レース中の駆け引きのことは教えられるけど。感性の部分は中々教えることができない。

車の挙動を体で感じて、マシンの限界のポイントがここで、それ以上いったら車がコースアウトやスピンしてしまう、でもそれ以下だったらタイムは出ない。

どのドライバーもみんな通る壁なんですけど、何年も失敗を繰り返して覚えていくことを体で感じて、すごい短時間でポンとやってしまうっていう才能がありますね。Jujuが乗り始めてすぐの頃に気づきました。

Juju,野田樹潤

──Jujuさんの走りが英樹さんにそっくりだとお聞きしました。

英樹さん:そういうところもありますかね?

Jujuさん:走っている人って自分のことは分からないから、見ている人の方が分かるのかも。

英樹さん:あーそやねー、でもJujuの走りを見たときは何か感じるものはありましたね。

──意識はしてないけども似ている?

英樹さん:似ているところもあると思います。

本人を前にして言うのもあれですけど、自分が若かったころと比べても上手ですよ。

Jujuより勢いはあったけれども、Jujuに比べたら、しょっちゅう車を壊していましたし。さっきも言った通り車を壊すのは自分の限界のポイントが分からないからなんです。Jujuは車を壊さないで、限界ギリギリに踏み込んでくる。

彼女のような若いドライバーは経験が少ないから色んな場面で過去にない経験をするわけですよ。

例えば、今日のレースでも決勝でスタートを失敗しました。今回はスターティンググリッドについた時にタイヤが温まり切っていなかったので、スタートから数周は苦しくるなだろうなっていうのが私は分かっていた。ただ、後半は有利になるなっていうのも分かっていたんだけど。

スタートで失敗した時に、最初の2周半ぐらいまでは離されて、タイヤがあったまってきたら追いつくだろうなっていうのは、こっちは経験があるから分かるけれども、本人にしてみればそういう経験は今日が初めてだった。

本来は離されるはずがないんだけど離される。予選の時に比べたらハンドリングが変わっている。そういう経験があれば、「今は我慢の時だな」っていう判断で、落ち着いてレースできるんだけど、分からなかったら焦りますよね。若いドライバーっていうのは、そういうところで焦りが出て失敗する人が多いんですよ。

繰り返し経験することによって少しずつ失敗しなくなってくるんだけど。彼女の場合新しいことに遭遇した時にも、瞬時に状況を判断して落ち着いて対応できる。今日のレースでもミスもなく、苦しい中でも我慢して走って、抜き返して帰ってくる。中々できることじゃないんですよね。

野田英樹

成長して嬉しい反面ちょっと寂しさも

──普段Jujuさんはどんな娘さんですか

英樹さん:見る度に変わって(成長して)いっていますね。

去年までは常に一緒に過ごす時間があったけど、今年からは親元を離れて学校行に行っているんで、一緒に過ごす時間は半分ぐらいになりました。

そんな中で毎日成長しているから、私も気づかないうちに変わっていっていますね。中学一年生ですからね。

大人になりつつある年頃なんで、子ども子どもしている感じは減りましたね。去年ぐらいまでは、考えていることもよくわかるし、メンタルの面でもなんとなく読めていたけど、中学生になってからは、私だけではすべてが分からないところも出てきているのは事実ですね。

Jujuさん:もうすぐ思春期。お父さんと一緒に居たくないって言われたらショックだよね。

英樹さん:居たくないの?えぇー!?

Jujuさん:私はまだましな方だから。もっとひどい子は、お父さんと一緒に洗濯したくないし、一緒の部屋に居たくないし、一緒の洗面台使いたくないし、一緒に寝るとかはだいぶ無理だし(笑)

──お二人からは、そういう感じはしないですけどね

Jujuさん:笑

英樹さん:成長して嬉しさもあるけど。ちょっと寂しさもありますね。小さい時にああいうことやった。楽しかったなぁって思いも確かにあるし。

だけど、成長していって本人が幸せそうにしていたら、それが親としては一番うれしいことですから。成長は止められないので、あんまり考えないようにはしていますけどね。

なるようにしかならへんし。ただ、あんまり考えへんからさみしいとは思わんかな。その時その時でいいことあるから、そっちのほうばっかり目を向けていますね。


第2回に続く