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苫小牧駒澤大学アイスホッケー部を徹底解剖!

2016 12/1 16:42
アイスホッケー
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Photo by dotshock/Shutterstock.com

ラグビーやサッカーと同じく、カレッジスポーツとして長い歴史を誇るアイスホッケー。 創部から50年以上の歴史を誇るチームも多く、伝統が息づいています。 本稿では苫小牧駒澤大学のアイスホッケー部の歴史や戦績について徹底解剖します。

【苫小牧駒澤大学】1997年に誕生した新設校

苫小牧駒澤大学は、北海道苫小牧市にキャンパスを構える私立大学。駒澤大学の系列ながら、1997年に大学設置が認可された比較的新しい大学です。設置された学部は国際文化学部のみ。仏教文化や日本文化専攻だけでなく、アイヌ文化コースも開講されています。また、世界に開かれた人材を育てるための国際コミュニケーション学科も開講されています。
圧倒的に道内出身の学生が多く、体育会部活動の現状としては、アイスホッケーのほかに硬式野球部や剣道部が活動しています。

【歴史】兄弟校は名門中の名門

苫小牧駒澤大学のアイスホッケー部は開学当初から歴史を紡いできました。兄弟校にあたる駒大苫小牧高校は、全国トップクラスの実力を有しており、インターハイに限ってみれば、1994年~2002年に9連覇、2004年~2008年に4連覇を達成した名門中の名門、超強豪校です。
今でこそ高校野球で知られていますが、かつては駒大苫小牧といえばアイスホッケーというのが定説でした。しかし、近年は有望選手もどんどん道外に流出しており、大学チームは戦力維持の前にメンバー獲得が至上命題となっています。

【アイスホッケー北海道学生リーグ】昨年リーグ14連覇を達成するも…

北海道学生リーグは1部と2部の2カテゴリー(各5チーム所属)に分かれており、それぞれ5チーム総当たりのリーグ戦(1回戦制)で優勝を争います。そして、1部の優勝チームにはインカレ出場権が与えられます。
昨年、苫小牧駒澤大学はこのリーグ戦を4勝無敗の勝ち点12で優勝。他を寄せ付けぬ強さでリーグ14連覇を達成しました。しかし、部員数減少とそこからくるもろもろの財政面の不安を理由に、優勝したのに全国大会への出場を辞退するという苦渋の決断をすることになりました。

【有終の美】野球部からもメンバーを借りて最後を飾る

部員数はわずか7人、公式戦に参加するためには最低11人のメンバーがベンチ入りする必要があるため、野球部からメンバーを借りてくる必要がありました。そんな中での1年は本当に苦しかったと思いますが、チーム練習もままならぬ中で、できることをチーム全体で貫いてきました。
見事に全勝優勝を果たし、リーグ14連覇という記録を打ち立てたことは賞賛に値すべきもの。全国大会への切符をみすみす逃す形になったことは悔しくはありますが、全勝優勝で「有終の美」を飾ることには成功しました。

【今後の活動】北海道学生リーグ戦参加を目指して

氷上でのテクニックは全国的に見ても高いものがあり、幼い頃から寒さとスケートリンクに慣れ親しんできた地元出身のプレーヤーたちが集まったチームだけに、ポテンシャルはなかなかのもの。新シーズンを戦い抜くための戦力確保が最優先ですが、チーム再建が完了すれば再び道内の頂点に返り咲ける日はそう遠くないはずです。
その一方で、試合勘をなるべく維持するために、昨年からは一般向けのカップ戦(B級大会)に社会人チームと合同チームを結成して出場しています。リーグ戦開幕までの時間を最大限使って、参加するためにできる限りの努力を続けているのです。

まとめ

苦しい状況に立たされている苫小牧駒澤大学。再び公式戦の舞台に返り咲くためには、多くの課題を解決しなければなりません。 しかし、北の名門が復活した時、関東一極集中となりつつある大学アイスホッケー界の勢力図を塗りかえる日がやってくるかもしれません。