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東大ホースメンクラブが中山芝1600mを徹底検証

中山1600mで強さを見せるルメール騎手ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

コース紹介

今回は中山芝1600mの馬券委役立つデータをご紹介。
 
真上からは「おにぎり型」に見えるユニークなコース。1コーナー奥にあるポケット地点からスタート、外回りの2コーナーまで緩やかな下りを進み、向正面から3コーナーにかけても高低差約4.5mの下りが続く。平坦な4コーナーを曲がると中山名物・310mの短い直線と急坂が控え、中山独特の高低差をフルに生かしたコースとなっている。

当該コースが舞台の重賞は5レース。グレード順に、GⅡはNHKマイルCのステップレース・ニュージーランドT、GⅢは明け3歳初めての牝馬限定重賞・フェアリーS、モーリスが初の重賞制覇を果たした春のダービー卿チャレンジT、秋競馬の始まりを告げる京成杯AH、冬の荒れるハンデ重賞・ターコイズSが行われる(使用するデータは路盤改修後の2014年12月6日〜2020年1月6日)。

とにかく2枠が買い

表1_中山芝1600m路盤改修後(2014.12から)の枠別成績ⒸSPAIA


2枠が優勢で、連対率・複勝率ともにやや抜けた数字をマークしている。逃げ・先行脚質に限定すると連対率35.7%・複勝率44.9%にまで上昇。それぞれ2位を1割程度引き離しており(連対率2位:4枠・26.7%、複勝率2位:3枠・33.2%)前目のポジションでレースを運べる馬が黒帽を引けば鉄板級の信頼度といえる。

対照的に外枠は総じて不振。2コーナーまでのロスが大きくなるコース形態が影響しているようだ。回収率も芳しくなく、割引材料だ。

表2_中山芝1600m路盤改修後(2014.12から)の脚質別成績ⒸSPAIA


脚質別成績では逃げ・先行が有利。勝率と複勝率でわずかに逃げがリードしている。ただし重賞では脚質別で目立った有利不利はなく、必要以上に評価しないようにしたい。

特に先行脚質の馬は新馬戦が最も好走率が高く、クラスが上がるにつれて複勝率が低下していく。中山コースで直感的に重視したくなるところだが、数字上ではそれほど信頼できない点を覚えておくと良いだろう。

横山典弘騎手を信頼

表3_中山芝1600m路盤改修後(2014.12から)の種牡馬別成績ⒸSPAIA


複勝率順の種牡馬別成績ではキングカメハメハがトップ。単回率88%・複回率104%も評価できる。2位のハービンジャーは3番人気以内に限ると連対率51.4%・複勝率65.7%、単回率142%と非常に優秀だ。3位のディープインパクトまでが複勝率3割超え。

リーディング上位常連のハーツクライはこのコースをやや苦手としており、回収率とも単複ともに50%台にとどまる。アドマイヤムーンも複勝率が2割を切っており、買い控えたい。

表4_中山芝1600m路盤改修後(2014.12から)の騎手別成績ⒸSPAIA


騎手別成績ではルメール騎手が抜けている。人気馬を確実に導いており、むやみに逆らわないようにしたい。

戸崎圭太騎手も4割超えの複勝率を記録している。続く3位には名手・横山典弘騎手がランクイン。19年京成杯AHをトロワゼトワルで逃げ切り、日本レコードを更新したのが記憶に新しい。19年1月から8騎乗機会連続3着以内(1番人気は1度のみ)など抜群の手綱捌きを見せており、困ったらこの騎手に託したいところ。勝率2位の田辺裕信騎手も信頼できるジョッキーの一人。

堀調教師の先行馬は買い

表5_中山芝1600m路盤改修後(2014.12から)の調教師別成績ⒸSPAIA


調教師別成績では美浦の名伯楽が並ぶ中、堀宣行調教師と木村哲也調教師がワンツー。堀調教師は先行馬の良績が目立ち、該当馬は【5-6-3-6】複勝率70%。堀×先行馬は買いだ。国枝栄調教師は単回率161%・複回率81%と上位の調教師の中では抜けて馬券妙味があり、人気薄で狙いたい。

表6_路盤改修後の中山芝1600mで馬券になった馬のコース別成績ⒸSPAIA


最後に中山芝1600mで3着以内に入った馬における、その他全レースの成績をコース別に紹介する。複勝率首位は東京芝1400m。2位の同コースは単複ともに回収率100%を上回り、好走実績のある馬がリピーターとなるケースが多い。ワーストは福島芝1800m【26-29-29-221】複勝率27.5%だった。

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