先行有利も差し馬に注意
年が明け、クラシックシーズンを迎えた馬たちによって争われる最初の3歳重賞、シンザン記念(GⅢ・芝1600m)。のちに日本ダービーを制するタニノギムレット、牝馬3冠を達成したジェンティルドンナ、アーモンドアイなど、このレースの勝ち馬にはそうそうたる名前が刻まれている。
果たして今年の出走馬の中に、未来のスーパースターは存在するのだろうか。伝統ある一戦について、先週の馬場傾向と出走馬の馬場適性の観点から分析、予想を行なっていく。
まずは、2020年の開催初日となった1月5日と翌日の6日に京都競馬場で行われた芝のレース結果について振り返る。
芝のレースは合計10レースが行われ、そのうちシンザン記念と同じ外回りコースを使用したレースは6レース。1600m戦の勝ちタイムを見ていくと、重賞の京都金杯が1:34.0、3勝クラスの新春Sが1:36.8となっており、良馬場ながら時計のかかる馬場状態だったということがわかる。
スローペースの上がり勝負となった新春Sでは1着クライムメジャーと3着サムシングジャストが上がり33.9というタイムをマークしているが、その他のレースでは34秒台後半から36秒台での決着となり、平均上がりは1着35.3、2着35.3、3着35.5、1〜3着平均は35.3と上がりもかかる馬場となっていることが見てとれる。
続いて外回りコースを使用したレースで1〜3着に入った馬の通過順位についても見ておく。逃げ馬が馬券圏内に入ったのは5日の最終レースとなった4歳以上2勝クラスを勝利したゼセル1頭のみ。開幕週らしく先行馬が対象馬18頭中11頭も馬券も絡んでいたが、レース展開によっては2着と3着に4角で中団より後ろにいた馬の台頭もあった。
4角の通過順位を逃げ1P、先行2P、差し3P、追込4Pに振り分けて数値化した4角平均通過ポイントでは、1着1.8Pだったのに対し、2着2.5P、3着は2.8P、1〜3着の平均は2.4Pとなっていたことからも、基本的には先行馬が有利ではあるが、開幕週のわりには差しも届く馬場だったと言うことができるだろう。